プロローグ
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(ただし、作者は豆腐メンタルです。そこだけご了承ください。)
ここは天界。
天使と死神が日々闘争織り成すその片隅、とある施設。
優秀な者を選び出す為の教育、試験がなされていた。
そこでは、優秀な者は生き残り、劣等だと判断された者は"ケモノ"によって始末されるというデスゲームの中、また一人少女が犠牲になろうとしていた。
「な...んで?昨日までは、私が一位を獲っていたのに...!」
その少女、実験番号0-27は数え切れない絶望の中で叫ぶ。が、誰も助けに来るどころかひとっこひとり来ない。当然だ、この少女はもうケモノによって不要物として「喰われる」のだから。
「イ...ヤ、イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ、イヤーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
彼女の拒絶も、恐怖も、不安も、先ほど入れられた檻の中ではただの響きとなるだけで、さらにその気持ちは増加していく。その時、
キーーィ、ガチャン!
という"死"の音が彼女の背後でなった。
グルゥ、グルルルルルルル...グルァァァァァァッッッ!
「イヤァァァァァァァァァァッ!!」
振り返るとそこにいたのは、得体の知れない"ケモノ"、いや、"バケモノ"と言った方が良い代物だった。何もかもが歪で醜く、鋭く獲物に刺さる目付きに、全てのものを引き裂いてしまいそうな爪、獲物を確実に仕留める為の長い牙。
最早それは生き物と呼べるものではなく、恐怖の象徴として少女の目には写った。
ヒタッ、ヒタッ
恐怖が体を支配してくるように少女は思えた。そこからは一歩も動けない錯覚に陥る。思考は逃げようと言ってくるのに、少女は、そこに座り込むことしか出来なかった。
『あぁ、これから私は死ぬのか』
絶望の淵に立たされて、漠然とそう思った時、体から自然と力が抜けた。
"それ"は少女に向かって加速してきた。短いはずの時間なのにゆっくりと引き延ばされていく。
『もう、何でもいいや』
目から、一筋の涙が零れた。
次の瞬間、少女は速やかに葬り去られる、
ーー筈だった。
ザシュッ
「おい、いつまで目つぶってんだ?」
「ちょっとリク、女の子に失礼でしょ?」
突然掛けられた声に戸惑いながらも目を開けると、其処には、
ーー大鎌を持った二人の「死神」が立っていた。
「おっ、やっと気がついたか、次期クイーン。」
「へっ?」
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。