棚卸し 3
「それじゃあみんなお疲れ様。乾杯。」
俺たちは今焼肉屋に来ている。読み通り休憩の後一時間くらいで作業は終了した。
「くー、ビールが体に染みる。」
労働の後のビールはたまらんな。みんなもそれぞれ飲んでいる。マミさんは未成年なのでウーロン茶だが。
「どんどん焼いていくっす。」
都もテンションが高いようだ。
「どれが一番元取れるやろか。」
桜子は元を取るつもりのようだ。しかし女の子が2人もいる状況で元は取れないだろ。
「お肉美味しいです。」
マミさんが美味しそうに食べている。可愛い。いつにも増して可愛い。どれどれ俺もいただくか。
「あっ店長それまだです。こっちから食べてください。」
意外にも都が焼肉奉行だった。二つの網を支配している。
「都ウチの肉も焼いてー。」
桜子はなぜか楽しそうだ。
「お肉美味しいです。」
マミさんが美味しそうに食べている。
「そっちの肉はもうできてます。後野菜も焼けてます。」
相変わらず網の上を支配する都。
「お前楽しそうだな。」
「そうっすね。焼肉とか鍋とかの時仕切るのは楽しいですね。」
変わったやつだな。全くわからん。
「お肉美味しいです。」
マミさんが美味しそうに食べている。
「疲れないか?」
「別に疲れることはないっすけど…あれ?。」
「どうした?。」
「いや、ここにあった肉がなくなってて。…しかもこっちのも。」
肉が消えるわけないだろ。酔ったのか?。
「それやったらここやで。」
そう言って桜子が指した先には
「お肉美味しいです。」
マミさんがいた。
「「……え?」」
俺と都の声が重なる。
「ウチずっと見とったけどスゴイで。」
マミさんが食べたのか?。
「…こんなことってあるんすね。」
都が呟いた。
「本当にマミさんが食べたの?。」
「はい。私食べるのが大好きで。…いっぱい食べる子はだめですか?。」
ハートを撃ち抜かれた音がした。
「いやいやだめじゃないよ。むしろ健康的でいいぐらいだよ。」
「そうですか。良かったです。」
いや〜予想外だったな。マミさんがな。
「いや〜マジで食べるっすね。こうなったら焼肉奉行の血が騒ぎますね。」
都は楽しそうだ。だからなんで楽しそうなんだよ。その楽しそうな都を見て桜子もにやけている。気持ち悪いな。
「俺の支配する網とマミちゃんの食欲、勝負っす。」
結局マミさんの食欲は衰えず棚卸しで腕を消耗していた都が先にギブアップした。
「…次は負けないっす。」




