彼女
「あー彼女欲しい。帰るのが遅くなっても文句も言わず、あったかいご飯を作って待っててくれる子。めっちゃ大事にするから。」
男の一人暮らしは寂しいもんだ。自分で料理する気にならないからコンビニ弁当ばっかりになっちまう。
「俺の家にいるっすよ。」
都が言う。
「ちょっと待って。お前彼女いんの?。」
向こうで桜子がすごい顔してるぞ。
「確かスマホに写真あったすけど見ます?。」
マジでいんのかよ。桜子彼女いる奴にあんなになってたのかよ。ピエロじゃん。かわいそう。
「ちょと都。彼女いるなんてウチ聞いてへんで。」
案の定桜子が怒っている。
「いや別に桜子ちゃんにいう理由ないし。あとはい写真。」
「都に相応しいかウチが確かめたる。まぁウチより相応しいか子はおらんやろうけどな。」
そう言って写真を覗き込む。
「……。確かにこの子には勝てんかもしれん。」
桜子が負けを認めただと。どんな子なんだ。
「ちょっ、俺にも見せて。」
そしてそこに写っていたのは…。
「炊飯器じゃねぇか。」
確かに俺の言った条件に合う。けど炊飯器じゃん。
「ウチ、炊飯器より上手くご飯炊く自信ないわ。」
そりゃそうだよ。なんたって向こうは飯を炊く器だからね。プロフェッショナルだよ。
「2人とも引っかかったすね。」
クソ。またやられた。
「でも都彼女はおらんねやろ。ふんだらまだチャンスはあんねんな。ウチと付き合いーな。」
桜子立ち直りはえーな。
「いや、それとこれとは……」
都が困ってる。自分の策に溺れるとは…。今日は引き分けだな。




