懐かしい顔 2
「ちょと店長なんすか?」
俺は今都を連れて事務所に向かっている。ちなみに桜子が帰ってきていることはまだ言っていない。
「まぁまぁちょっと来いよ。」
こいつの驚く顔を見るまたとないチャンスだ。
「都を連れてきたぞ。」
事務所に入る。
「……連れてきた?中に誰かいるんすか?」
勘のいい野郎だ。だがもう遅い。
「あー都。ひさしぶり。会いたかったで。」
「げ、桜子ちゃん帰ってきてたの?。」
「昨日帰ってきてん。都に会いたくて時差で眠いのに頑張ってきてんでー。褒めてーや。」
「確か行ってたのオーストラリアだよね。日本とオーストラリアは時差一時間しかないよね。しかもそんな急いできて欲しいなんて言ってないよね。」
都がツッコミにまわっている。なんていうか気分がいい。
「ウチがどこに行ったか覚えててくれたん?。めっちゃ嬉しいわ。はいこれお土産。都には特別にワニの歯のブレスレット買ってきてん。よー似合うと思うで。ほれ。」
相変わらずよく喋るな。
「うん。とりあえずありがと。でも今はいいかな。」
「あとなそれなウチとお揃いやねん。指輪の代わりでもいえやろ。」
みなさんお気づきだろうが、桜子は都にぞっこんである。
しかし都は
「まって、付き合ってもない俺たちがペアルックのブレスレットをつけるのはおかしいよね。あと指輪の代わりってなんの指輪のつもりだよ。」
この通り桜子と付き合うつもりはないらしい。付き合っちゃえよ。
「そんなん決まってるやん。婚約指輪やで。」
「何も決まってないよね。まず付き合ってすらないよね。」
「それじゃあ付き合うところから…。」
うんうん段階を踏んで行くのは大事なことだからな。
「それで『よし付き合おう』ってならないからね。」
強情な奴だ。
「ちぇ、いつになったらウチと付き合ってくれるん?。」
「そうだぞ都。女の子を待たせるのは良くないぞ。」
普段の仕返しをしてやる。
「店長は黙っててください。俺がしっかり桜子ちゃんのことを知ったらその時に考え始めなくもないよ。あと店長は覚えててくださいね。」
ふん。いつもお前に煮え湯を飲まされるおれの気持ちがわかったか。
「とにかくもう仕事に戻るっす。あ、あとお土産ありがとう。」
「都……。」
そういう態度が桜子ちゃんの心に刺さってるって気づけよ。




