言の花
かなりかなり、無理のある下手くそな話になってしまいました。
「何これ、花?」
秋の終わる頃。
高校時代、好きな人を取り合った友達から、花が送られてきた。
「もしもし?ねぇ、なんで花なんて送ってきたの?」
急いで友達に電話して、理由を聞いてみた。
「悠人君と付き合って来月で4年でしょ?だから。」
「へぇー……ありがと。」
意外だった。
いくら仲直りしたとはいえ好きな人を取り合ったのだ。
しかも、今の彼氏がその取り合った男だし。
あの子の言うとうり、4年にもなるのだ。
嫌じゃなかったのか?
とりあえずありがとうを伝え、電話を切った。
「何の花だろう。」
黄色い、可愛い花。
「それ、オトギリソウじゃね?」
「悠人、おかえり。オトギリソウ?これ?」
「多分な。よく知らねぇけど。よかったな」
ニコニコ笑う悠人に私の頬も自然と緩んだ。
その日から、1ヶ月毎に花が送られてきた。
全部、季節はバラバラの花。
造花の時もあった。
何故かと聞くと、その花が可愛かったから、と言っていた。
何だかんだ、嬉しかった私。
「あ!また来たよ、花。」
「手紙、付いてんぞ?」
冬、雪のチラつく日に、いつもは花束の花が、その日だけ1輪で送られてきた。
「なんだろ?この花。手紙も」
「これで最後です、だってよ?」
気になって彼女に電話をしても、繋がらなかった。
「これ、なんて花?悠人。」
「これは多分、スノードロ……!!」
突然、言葉を切った悠人。
「え、なに?スノードロ?」
「これ、スノードロップって花……」
同様を隠しきれてない悠人に言い知れぬ不安が襲ってくる。
「調べる、ね?」
ネットでしらべる。
“スノードロップ”
その解説を読んで、私も悠人と同じように凍りついた。
別名待雪草。
花言葉は、希望、慰めなど。
但し、人に送った場合は、
あなたの死を望みますとなる。