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花シリーズ

片隅の花

作者: 透坂雨音

 とある花の物語です。

 (※注意 悲しみで溢れてます。むしろ悲しみが溢れてます。心が豆腐な方は閲覧注意かもです) 覚悟はよろし、ですか。





 笑っていたかったよ

 幸せになりたかった


 皆と一緒にいて、皆と笑いたかった


 どうして私は生まれてきたんだろう

 私が生まれてきた意味って何なの?


 どうして私は皆と違うんだろう

 どうして私は皆と同じじゃないの?


 私が存在するだけで誰かを傷つけてしまう

 私は誰かを幸せにできた?

 私がいてくれてよかったって、誰かは思ってくれる?


 どうして私は普通じゃないんだろう

 どうして普通に生まれてこなかったんだろう


 もう傷つきたくないよ

 もう期待したくないよ


 でも口を閉ざすことはできない

 歩みを止めることはできない


 もう疲れた

 なのに

 絶望すら許してはもらえない


 誰か教えて

 私の存在は悪なの?


 私は私が不幸にしてきた人達の分の罪を清算しなければ幸せになれないの?


 でももうこの先に道はないの


 見つからないの未来の先が


 目の前は袋小路


 結末は一つだけ

 落ちていく


 どこで間違えたのかな

 決定的に間違えたのはどの場所かな


 でもまだやり直せるはずだよね

 そうじゃなきゃ

 そうじゃなきゃ

 なんで私はここまで歩いてきたの?

 未来がないのにどうしてここまで歩かされたの?


 どうしよう道がない

 見つからない

 どうしよう時間がない 

 もうすぐそこだ


 いっそ狂えたら楽なのに

 気が狂いそう

 でもまだ正気だ

 正気のまま歩かされてる


 もうすぐそこ

 嫌だ

 こんな結末は嫌だよ

 認めたくない

 認められない

 私はこんな終わり方をするために今まで生きてきたんじゃない


 幸せになりたかったから 頑張ってきたのに

 笑ってすごせるために 頑張ってきたのに


 ここで終わるの?

 ここまでなの?





 誰か、助けて。

 私を見つけて。

 私の声をきいて。










 ごめんなさい。











 ――語られなかった物語、世界の片隅に。ある日一つの珍しい色の花が咲いた。


 種から命は芽吹き、芽は体を伸ばし成長していき、とうとう花を咲かせるところまで至った。


 だがその花を愛でるものはいない。そこは日の光の届かぬ場所だった。ゆえに誰の目も届かない。花はわずかに生き残っていた同胞たちから、変異種ながらの類い稀な力を発揮して、生きるための必要な養分を地から吸い上げて成長した。対価は孤独として残された。


 花は一輪、ひっそりと咲いてそして枯れ果てていく。種を残す力もなく、またその相手とも出会えずに――――





 透坂の「ばけもの子供シリーズ」もイメージしながら書いてます。

 そちらもお読みいただければ、より作品を味わえるかと思います。

 これだけでも完結してますが。

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