日本人だなって思うこと 気をつけなきゃね
日系三世の旦那と、二歳の時にカナダにやってきた息子。そして、こっちで生まれた娘。
そんな家族に囲まれて暮らしていると、時々自分だけが日本人だなって思うことがある。
言語、英語はもちろん。
旦那は6年くらい日本にいたから、日本語の読み書き、話すこともできる。
息子もある程度は、読み書き、スピーキングは可能。よく日本のテレビをダウンロードしてみている。
娘は、私が日本語で話しても英語で返してくる。彼女の日本語はかなり外国人っぽい。
でも、嵐が大好きで、一生懸命に彼らの番組、ドラマを見ている。(英訳付きで)
私たちの住んでいるところは、かなり治安はいい。それでも時々、物騒な事件は起こる。
それは日本でも同じだと思う。
昨年の秋、夜中の最終バスから降りた日本人男性が、カナダ人に襲われたそうだ。持っていたI-padを盗まれそうになったらしい。でも、その日本人はかなり抵抗して、いったんはその犯人は逃げて行った。それでも犯人は諦め切れずに、再びその日本人を襲った。どうしても彼の持っていたI-padが欲しかったらしい。
二度目の襲撃にも耐え、夜中まで営業しているスーパーマーケットに逃げ込んで、そこから警察に通報してもらったとのこと。
ここから考えられることは、日本人男性は人の少ないバスの中で、おおっぴらにI-padを使っていたということ。夜なかに一人でそれを持ってバスを降りた。I-padを持っていないそのカナダ人は、あいつなら一発二発も殴れば盗ることができるだろうと考えた。
それを実行した。失敗に終わったけど。
どこから誰が見ているかわからない、今は誰もが持っていると思われるI-phoneやI-pad、パソコンも盗んでまでほしいと考える人もいる。
ここまでは、私にも理解ができた。
先日のことだ。いつも私は帰る時、I-touchで音楽を聞いていた。普段なら、ポケットに入れて聞いて歩くのだが、曲を選択したくて、手に持って歩いていた。
暗い夜道、そのI-touchの画面の光が輝いていて、暗闇での防衛の光になるな・・・・などと安易に考えていた。
しかし、そのことを息子に言うと、「なんで見せて歩くの?お母さんがI-touchを持っているって知らせているようなものだよ」と言ってきた。
それで、日本人が襲われた事件につながったのである。
そうか、私もI-touchくらい誰でも持っているだろう、そんな人の物まで盗る人がいるはずがないと考えていたのだ。
欲しいから盗るのではなく、売るということも考えられる。
これも息子から指摘された。
何年も前に、うちでコンピューターを買ったときのこと。
早く大きな段ボールを片づけたいと思い、リサイクルの日に全部出してしまおうと紐でくくっていた。
私も一応、中身がわからないように内側に折っていたが、息子が言った。
「狙っている人は箱の大きさ、多さで大体電化製品だってわかる。段ボールを回収する人だって気づく。その情報が誰に行くかわからないけど、彼らはどの家が電化製品を買ったかわかっている」と。
なるほどと思い、段ボールはすぐに出さず、少しづつ小さくして出していった。目立たないように。
それから何年かして、うちのすぐ目の前の家に新しい住民が引っ越してきた。中国系の若い夫婦なのだが、リサイクルの日、目が点になった。ものすごく大きい箱を折りたたんだだけの状態で出していた。
しかもテレビの箱。カラー写真でどんなタイプのテレビなのか一目瞭然。
誰でも新しいテレビ、買ったんだねってわかる。邪まな考えを持つ人にはすぐに目に入ることだろう。
こういうことって、日本ではあまり考えなかったなと思った。
平和だな。そして、うちの周辺も平和。
その中国人夫婦の家に強盗が入ったと聞いていないから。
カナダは現金を持ち歩かないから、強盗が入ったとしても狙われるのは電化製品。特にコンピューター系。
庭もきれいに手入れをしていないと、この家の住人はいい加減だと思われるそうだ。どこか鍵のかかっていないところがあるかもしれないということ。