カナダデー
誰かが、カナダデーの7月1日はいつも暑くなると言っていました。
私は、心の中で絶対にそうなってほしくないと思っていました。が、現実は本当に暑くなりました。でも三十度はいっていないと思います。
カナダは146歳になったそうです。人で言うととっても年寄りですが、国で言うとすごく若いと実感します。
みんなうれしそうでした。地元の人も、カナダのマークやロゴの入ったTシャツを着たり、真っ赤な服を着たりして、みんなが楽しそうに嬉しそうに祝っているというのが伝わってきます。
ああ、これが愛国心なんだなと思いました。
学校で毎朝、国歌の「オーカナダ」を歌います。保護者が集まる学校のイベントでも始まる前にはほとんどの場合、国歌を歌います。
私も歌えますよ。移民してきたとき、ESL(英会話のクラス)に通いました。そこは小学校の一部にあったため、毎朝、歌いました。
みんなこれを歌う時って、本当の誇らしげに歌うんです。二ヤケていたり、ふざけているようなティーンエージャーでも、顔を引き締めて歌います。おじさんもおばさんもいい声を張り上げて歌うんです。
毎回、それを聞いて私は鳥肌がたちます。みんなこの国を愛している、誇りに思っているから国歌を嬉しそうに歌うって感じてくるからです。
日本では授業が始まる前に国歌を歌うことってしませんね。精々、校歌くらいでしょうか。私の時代は、卒業式のときなどに必ず、「君が代」を歌っていました。
今はそれさえもしないと聞きました。今の二十代の若者は「君が代」を知らない人が多いと聞いて驚きました。
この歌が国歌としての議論があることも知っていますが、日本の若者が日本に生まれて、日本を誇りに思う国歌が薄れているということに少し残念に思います。
沖縄から来た人は、「君が代」を聞いたこともないと言っていました。もし、「君が代」が不適切ならば、それに代わる国歌を作るわけにはいかないのでしょうか。
難しい問題が隠れているのでしょうけど。
あまりこういうシリアスな問題に、エッセイとして触れたくはなかったのですが、あまりにもカナダの人たちが国の誕生日を嬉しそうにしているので、長老に近いジャパンとしてはどうにかならないのかなあというつぶやきでした。
私も日本人として、日本を誇りたいんです。決して日本批判ではありませんのでご了承ください。
話は変わりますが、時々日本へ帰るとお土産に日本語が書かれたTシャツを買います。私は地元の「風林火山」をよく買います。これが結構かっこいいんです。
友人の旦那さん、カナダ人ですが、この人が日本人の奥さんに漢字の書いてある服がほしいと言いました。
奥さんはさっそく、日本の親に連絡し、「漢字の書かれた洋服がほしいって言ってるから、送ってほしい」と頼みました。
その後、その家に小包が届きました。中には、どこかの会社の作業服が入っていました。
その胸元には、00製作所、村上という名前がついていました。
「確かに漢字の入った服だったけどさ」と友人はため息をついていました。
彼女の両親はちょっとお年を召しているので、お土産やさんへ行って、漢字の入ったTシャツという考えが浮かばなかったのでしょう。漢字の入った服ということで、困ってしまい、どこか知り合いの人に誰かの作業服をいただいたのでしょうね。ちょっと笑えるエピソードでした。




