日本での日系カナダ人 やはりその仕草は外国人?
日系カナダ人はバナナと呼ばれると、昔読んだガイドブックに書いてあった。しかし、実際にはそんなこと言われたことはない。
バナナの皮は黄色、しかし、中身は白い。日系カナダ人は見かけは日本人だが、育ったのはカナダなので、行動は白人と同じという意味なんだそうだ。
私と旦那は日本の英会話学校で知り合い、結婚した。息子が二歳になるまで日本で生活していた。その頃、友人がバナナを思わせることを言ったっけ。
彼女は、向こうから外人が二人、自転車に乗ってきたって思ったらしい。近くまで来た二人は、一人が外人で、もう一人はうちの旦那だったそうだ。 それを聞いて、やはり、見かけは日本人でも仕草や行動は、外国人なのかなあと思った。
うちの旦那が日本で生活していた時は、やくざっぽいおじさんに気に入られていた。
片言の日本語を話し、相手の簡単な日本語なら理解していたから、英語のわからないおじさんでも話ができた。そして、外見は全くの日本人、これが外国人との距離を一歩も二歩も縮ませていた。
うちのは焼き鳥が大好きだったから、英会話学校のバイトの帰りによく買ってきた。おじさんも旦那のことを覚えていて、いろいろ話をしてくれるらしい。そして10本買うと1,2本おまけでくれるのだ。
パチンコ屋でもおなじような現象が起きていた。なぜか、おじさん従業員は旦那が普通の日本人じゃないことを嗅ぎつける。私がパチンコ屋で旦那を探していると、いつもおじさん従業員が旦那の後ろに立ち、パチンコのコントローラー?の手のうえに、手を添えて「こうやるんだ」と意見をしている。終いには煙草の箱の紙をちぎり、コントローラーがロックされるように詰め物までしてくれていた。
極めつけの笑える話は、まだ彼が日本に来て間もないころに起きていた。
最初の頃はまったく日本語はほとんど理解できなかった。そんな旦那が二人の外国人に声をかけられた。
駅前によくいるモルモン教の人だったのだ。彼らはうちの旦那が日系カナダ人で、日本語がわからないとは知らず、立ち去られないことをいいことにペラペラと話し続けたという。
最後に、「わかりましたか?聖書がほしいですか?」と聞かれたとき、初めて「全くわからなかった」と英語で話したという。
その時の二人の顔は、どうしてこの日本人が流暢な英語で返事をし、日本語を話したはずなのに理解できなかったのだろうとかなり驚いたという。
後日、その二人とはいい友達になれたらしい。