壊れた手紙
海に流した瓶が割れたら、海の中に骨を撒いてください。
そうしたら私は溶けた罪とずっと一緒。
言葉もわからない生まれてるかもわからないどこかの誰かが読む前に消えたのなら、私の罪はその程度。
文字が消えるボールペンみたいに、勝手に千年続いているだけの文明が消えてもどうでもいい生命の母は今日も白い花を咲かせている。
形だけの懺悔、お気に召さなかった?
海に囲まれた国に生まれてよかった。
だって、秘密がたくさんあるもの。
閉ざされた土地。海を渡るのは罪人だけ。
私の罪は瓶の中に閉じ込めましょう。
新しいもの好きの人は騙しやすくて素敵ね。
後朝の文は、うんと甘くして。
読んだ後に炎の中へ返してあげる。
お返事は地獄の炎で、聞かせてあげる。
海に流した瓶が割れたら、罪が償われる。
悪いことをしてみませんか?
どうせ神様なんていないんだから。
いつかバレる罪だとしても、それが罪になる前に楽しみましょう。
悪いことをしたら誰が罰を下すの?
人の罪は人しか裁けない。だって罪かどうかを決めたのは人だもの。
私を罰するあなたは罪を犯したことがない?
嘘つき。海に潜って探してみたら?
底の見えない海はどんなゴミも歓迎してくれる。
だって、人が海の口にゴミを放り込んでいるから、
海はゴミの味を覚えてしまった。
連帯責任。これでみんな、罪人ね。
中身のない瓶が、どこかに流れ着く。
割れた瓶。元には戻らないけど、
溶けた手紙。静かに魚が口にした。




