第30話 コーンホール
松山さんが投げた。
また一直線と思いきや、わずか左にそれて穴の縁に当たって大きく跳ねた。
ボードには角度が付いている。
普通なら、真っすぐ投げて入る角度ではない。
松山さんのは一直線だが、さっきから奥の縁に当てて入れている。
わずかなコントロールミスが命取りになる。
攻めるならここしかない。
でもどうする。
ブロックを置いても弾き飛ばされるだけ。
ひたすらミスを待つだけしかないのか。
私はスライドショットで穴に入れた。
松山さんも今度は入れた。
このラウンドは私が取ったというか取れた。
12-10で2点だが。
先攻になった私は投げようとして、あることを閃いた。
試してみる価値はある。
ビーンバッグを穴の奥側にかかるように落とした。
松山さんが投げる。
松山さんが投げたビーンバッグは私のビーンバッグに当たった。
結果私のが穴に入り、松山さんのは穴のやや後ろに落ちた。
奥の縁を狙ってるんだから、そこを私がビーンバッグで邪魔をすればいいのだ。
また私は穴の奥側に落とす。
松山さんが私のを入れてくれる。
あとはこの繰り返し。
松山さんがいら立つ。
そうなるとミスが多くなってきた。
私も疲れからミスが出る。
しかしそれ以上に松山さんのショットが荒くなっていく。
最後は私がエアメールショットを決め、勝負がついた。
21-9。
「今決着がつきました。優勝は埼玉代表宮原選手です」アナウンサーが実況する。
理恵とさおりさん、それに姫星さんも抱き着いてきた。
インタビュワーが困っている。
私が困っているのに気づき、私はインタビューに応じた。
「宮原選手。優勝おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「まずは感想を」
「とても厳しい試合の連続でした」
「誰に優勝報告を伝えたいですか?」
「父親とコーンホールを教えて下さった皆様に伝えたいですね。後は学校のみんなにも」
「この大会の優勝者は日本代表としてアメリカで試合をすることになりますが、意気込みを」
「日本の代表として頑張ります。そして楽しみたいと思います」
「副賞は国内旅行券ですが、どこか行きたいところはありますか」
「熊本です」
「熊本になにかあるんですか?」
「去年1回戦で対戦した人が、熊本にはその人しかコーンホールをやってる人はいないと言っていました。だから私が試合をしに行きます。約束したから」
「最後に一言お願いします」
「コーンホール楽しい!」
こうして優勝を持って大会は終わった。
これでコーンホールをやりたいって人が1人でも増えればいいと私は思った。
(完)
お読みいただきありがとうございました。
これにて終わりです。
始めてスポーツ物を書きましたが楽しく書けました。
また機会があれば別のスポーツ物も書いてみたいです。




