4 フィーリア
「どうぞー」
アムロアを私の部屋へ通すとキョロキョロ周りを見る。
彼女は出会った時から私たちと何かが違う。特に彼女があの戦いで魔力を放出した時私は少しゾッとした。私は小さい頃からそう言うのを感じ取っていた。きっと魔力に敏感なのだろう。
だから、彼女を放っておけず連れてきてしまったが余計彼女を不安にさせた気がするので気休めに話しかける。
「自分の部屋のようにリラックスしていいわ。とにかく無理しないで」
「分かりまし......た」
そう言った瞬間彼女が倒れ込む。「アムロア!大丈夫?」私は急いで駆け寄り彼女を支えて、顔を見ると顔が赤くなりながら眠っている。
大丈夫、呼吸はある。
彼女を自分のベッドで寝かせ、急いで棚から薬と体温計を取ってきて彼女の体温を測ると38.5度。通りで顔が赤いわけだ。そして水の入ったおけを持ってきて、タオルを水で濡らして絞り彼女のおでこにあてる。
そして粉状の薬を彼女の口に入れコップに入った水で流し込んであげる。
今日自分の家から出てきたばっかりなのに、迷って、戦って、いきなり知らない人の部屋に泊まることになったし相当疲れたんだろう。一通り彼女の看病が終わるとふと考えてしまう。
ーーあのフード男は何者だったのだろう。
普通の人間であの魔法を使えばすぐ魔力が無くなってしまうのだが、あんなに持続するのはおかしいのではないか。
前例がないだけで他の国にはあれが当たり前......と言うこともあるかも知れないが。
ーーそれかやはり「魔族」なのか。
最近ここの王国で人が行方不明になる事件が多発している。そしてその事件の特徴はおそらく魔族の犯行の確率が一番高いと言う。
私は魔力の気質を感じられるが何族などそこまで判断できる品物ではない。
もしも、あのフード男の仕業だったらこの国の誰も相手に出来ないのでは無いだろうか。
(まあ、あいつだったら戦えるかもだけど)
フード男は本気を出していない。
それだけは私にも分かった。あのフード男が来たらこの子も含めて、いや、この王国の国ごと滅ぶわ。
何とかしてあのフード男が襲ってきた場合の対策とかを考えなければいけないかな。
そういえば、アムロアは凄い剣の使い手だった。あの剣捌きはここの騎士団にもおとらなさそうな強さだ。
でも、惜しいのは魔法だ。この子からフード男と戦ってる時一瞬だけ凄い魔力量を一瞬だけ感じた。だがすぐ収まってしまったので、きっと魔力が少ないか、魔法が得意ではないのだろう。だけどあの魔力は尋常ではなかった。
「あなたは何者なの?」
そう小さく、寝ている彼女の横でポツリと呟く。
この子に魔法を教えて魔法も問題なく使えるようになったら、魔剣士としてすごく強くなる。
そしたら、フード男の対抗に使えるかも知れない。
とにかくあの話を承諾するしかないのか。この子の意見も聞かずにその場での判断になってしまうかも知れない、だとしてもやるしかない。
ーーこれから訪れるであろうこの国の災難のため。
【作者雑談】
どうも。「みたらい はる」です。
ファンタジーが好きすぎるがあまりまだ投稿していない小説が結構あります(笑)
これが終わったら投稿しましょうかね。