第94話:雷神の槍入手
雷の神殿の尖塔前で、ゼノスの咆哮が空気を震わせた。全高20メートルの魔鋼の巨体が雷を帯び、タクミのストームライダーに立ちはだかった。風の翼が唸りを上げ、タクミはコックピットで操縦桿を握り締めた。仲間たちが地上でゼノスを引きつけ、タクミは尖塔の高所へ向かう瞬間を待っていた。
「ガイスト、雷神の槍の位置を特定しろ!」
「パルス・ディテクター・アレイで解析中。尖塔最上部、標高50メートル地点に魔脈エネルギー集中を確認。風の翼の推力1万2000ニュートンで到達可能。ただし、ゼノスの干渉が予測される。飛行を推奨する」
ガイストの報告に、タクミは頷く。「よし、全員でゼノスを引きつけろ! 俺が槍を取る!」
地上では、仲間たちが一斉に動き出した。リアがエーテル・ノヴァを開き、魔法陣を展開。「タクミ、私が時間を稼ぐよ! 風の精霊よ、詩の調べに舞え…! ウィンド・フォース、降臨せよ!」
風の精霊が現れ、鋭い風刃がゼノスの脚を切り裂く。ゼノスが咆哮を上げ、雷撃を放つが、セシルが即座に反応。「風の守護者よ、詩の調べに舞え…! エアリス・ガーディアン、降臨せよ!」
エアリス・ガーディアンが風の奔流で仲間を包み、雷撃を弾いた。
「熔鉄団の鉄でぶちかますぜ!」
カザンが熔雷槌を振り上げ、ゼノスの脚に全力で叩きつける。雷光が炸裂し、装甲にひびが入った。バルドが嵐の双剣で召喚。「堅き大地よ、詩の調べに響け…! テラノス、降臨せよ!」
巨岩の守護者がゼノスの腕に拳を振り下ろし、動きを一瞬止める。
ジンが竪琴を奏で、「癒しの水よ、詩の調べに舞え…! アクエリア、降臨せよ!」
アクエリアの水流がゼノスの胸部を削り、仲間たちの傷を癒す。「エアリスの意志が試練だ!」
タクミは仲間たちの連携を見届け、叫ぶ。「今だ! 風の翼、全開!」
ストームライダーのスラスターが轟音を上げ、機体が急上昇。雷光が飛び交う尖塔の高所へ向かうが、ゼノスが腕を伸ばし、タクミを追う。その瞬間、雷鳴と共に小さな影が神殿の柱から飛び出した——セリカだ。猫耳をピクピクさせ、短剣を手にタクミに向かって叫ぶ。「タクミ! 待って!」
「セリカ!?」タクミが驚き、機体を一瞬停止させる。
セリカが息を切らし、鋭い声で情報を叩きつけた。「貴族の動きを探ってきた! アイツら次の手を考えてるよ! クロノスって影が見え隠れしてる——何かヤバい計画! それと、雷神の槍をゼノスの胸に刺せば魔脈が暴走して動きが止まるって情報をつかんだ!」
「クロノスだと? 貴族の次の手か…!」タクミの目が鋭く光る。「セリカ、最高だ! その情報で行くぞ!」
ガイストが即座に解析。「セリカの情報に基づき、ゼノスの胸部に魔脈炉確認。装甲厚さ50センチ、魔脈出力集中。雷神の槍で魔脈炉を貫けば暴走誘発可能。攻撃を推奨する」
タクミはセリカに頷き、「お前も仲間だ! 準備しろ!」と叫ぶ。セリカが短剣を構え、「私だって戦えるよ!」と地上に飛び降り、カザンたちと合流した。
タクミは風の翼を再び全開にし、尖塔の最上部へ到達。風神の眼を起動すると、青白い光が視界に広がり、「雷神の槍」が浮かび上がる。全長3メートルの槍は雷を帯びた魔鋼で作られ、先端が紫電を放っていた。だが、槍の周囲に雷の魔法陣が展開し、タクミを阻む。
「試練か…! ガイスト、解析しろ!」
「魔脈共振反応確認。雷神トーラスの試練と推測。槍の解放には魔脈エネルギーの同調が必要。リアの召喚魔法を推奨する」
「リア、トーラスを呼べ! 槍を取るぞ!」
リアが魔導書を両手で掲げ、「雷の王よ、詩の調べに轟け…! トーラス、降臨せよ!」
雷鳴が轟き、雷神トーラスが現れる。雷を纏った巨人がタクミを見上げ、低く告げた。「風の翼を手にした者よ、我が槍を手にせよ。だが、その意志を試す。ゼノスを倒す覚悟はあるか?」
「当たり前だ! 仲間とエアリスを守るためだ!」
トーラスが頷き、雷の魔法陣が変化。槍の周囲に雷撃が集中し、タクミに襲いかかる。「雷撃エネルギー5000ボルト、装甲応力75%に低下。回避を推奨する」
「回避じゃなく、突破だ!」
タクミはスラスターを全開にし、雷撃の中を突っ切る。装甲が軋み、警告が点滅するが、タクミは雷神の槍に手を伸ばす。トーラスが槍を握り、タクミに差し出した。「その覚悟、認めよう。雷神の槍は汝のものだ。ゼノスの魔脈炉を貫け」
タクミが槍を手に取ると、雷が機体に流れ込み、風の翼がさらに輝く。「雷神の槍装備確認。魔脈エネルギー増幅率120%、推力1万4000ニュートンに更新。ゼノスへの攻撃を推奨する」
タクミは槍を手にストームライダーを旋回させ、地上を見下ろす。ゼノスの胸部が赤黒く光り、仲間たちが限界まで戦っていた。「タクミ、早く!」リアが叫び、セリカが短剣で魔獣を牽制する。
「これで動きを止める! ゼノス!」
タクミは槍を構え、風の翼を全開にしてゼノスへと急降下。雷の神殿での決戦が、幕を開けようとしていた——。




