表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/187

第77話:絆の証明と情熱の防衛戦

ヴェールウッドの村に戻ったタクミ一行は、戦いの疲れを癒すため木々の間で休息を取っていた。朝陽が葉の隙間から差し込み、穏やかな風が吹き抜ける中、タクミはストームライダーのそばで機体の点検に没頭していた。ガイストがコックピットから報告を始める。

「タクミ、地の神殿での戦闘データを解析した。セシルの裏切り時、彼女の目が緑に光った瞬間、魔脈反応が異常値を示してる。外部からの干渉が検出された可能性が高い。」


タクミが手を止め、目を細める。

「そういえば…『風神の眼』で見た時、セシルの魔脈が乱れてた。不自然な流れだった。あれは彼女の意思じゃなかったのかも。」


その会話を聞きつけたセシルが木陰から近づいてくる。顔を伏せ、静かに呟く。

「裏切る前、頭が痛くて…頭の中で声が響いた。『仲間を灰にしろ』って。私の意志を押さえつける何かがあった気がする。」

リアがセシルの手を取り、心配そうに覗き込む。

「セシル、そんなことがあったの? どうして言わなかったの?」

セシルが小さく首を振る。

「自分でも分からなくて…あの時、私じゃないみたいだった。」


バルドが立ち上がり、静かに言う。

「なら、確かめてみるか。」

彼がテラノスを呼び出す言葉を響かせる。

「我が堅き大地に誓い、生命を護りし絆を結ばん——テラノス!」

地面が震え、テラノスが巨躯を現す。岩石と樹木を纏った守護者が一行を見下ろすと、幻の声が響く。

「セシルの裏切りは貴族の魔導師の仕業だ。心を操り、汝らの絆を壊そうとした。仲間を捨てぬ意志がその闇を打ち破った。」


一同が息を呑む中、タクミがテラノスを見上げる。

「やっぱりそうか。セシル、お前は裏切ってなかったんだ。」

セシルが目を潤ませ、微笑む。

「タクミ…みんな…ありがとう。私、ちゃんと仲間でいられるよ。」


カザンが肩を叩いて豪快に笑う。

「熔鉄団の鉄もそんな操りなんかに負けねえぜ。次は貴族をぶっ潰す番だな!」

ジンが竪琴を奏で、穏やかな音色を響かせる。

「エアリスの歌が真実を証明した。絆があれば、何だって乗り越えられる。」

タクミが仲間を見回し、力強く言う。

「地の神殿を越えた俺たちなら、次の神殿も制覇できる。戦争を終わらせる準備を——」


その言葉を遮るように、森の奥から轟音が轟き渡る。貴族の魔獣軍と影脈会残党がヴェールウッドを襲撃してきた。熔けた溶岩を纏う「ヴォルガノス」、風を切り裂く「シエルフィス」、雷を帯びた「テンペスタ」が群れを成して進軍し、木々が倒れ、地面が焦げる。村人たちの悲鳴が響き、静寂が一瞬で戦場へと変わる。


タクミがストームライダーに飛び乗り、熱く吼える。

「セシル、地の種で村を守れ! 俺たちの絆を貴族なんかに壊させねえ!」

セシルが「地神の種」を高く掲げると、緑の魔脈が爆発的に溢れ出し、村全体を包む巨大な結界が展開する。光が木々を貫き、ヴォルガノスの溶岩弾が結界にぶつかって砕け散る。「エアリスウィスパー」を手に持つ彼女が叫ぶ。

「風よ、敵を切り裂け!」

鋭い風刃がシエルフィスの群れを襲い、羽根が散って魔獣が墜落する。セシルが燃える瞳で続ける。

「私の仲間を傷つけるなら、貴族だろうが魔獣だろうが粉々にしてみせる!」


ストームライダーが空に舞い上がり、タクミが「風神の眼」を発動。200メートル先にゼノスの巨体が浮かび上がる。

「200m先…貴族の切り札が来た! 大陸間戦争、ここで決めるぜ!」

ガンランチャーを手に持つ彼が連続で火を噴き、ヴォルガノスの群れを吹き飛ばす。ガイストが叫ぶ。

「エネルギー残量75%! ヴォルガノス、正面30度から溶岩弾接近。左15度旋回で回避、ゼノスは10m/sで接近中!」

タクミが機体を旋回させ、ドリルアームを手に持ってテンペスタに突進。

「俺たちの村だ! お前らなんかに渡すかよ!」


バルドが「嵐の双剣」を手に地面に立ち、咆哮する。

「堅き大地よ、詩の調べに響け…! テラノス、降臨せよ!」

テラノスが現れ、巨腕がヴォルガノスを叩き潰す。双剣を手に持つバルドが雷と風を放ち、テンペスタを両断する。

「試練を越えた絆は、どんな敵も蹴散らす! 村は俺が守る!」


リアがエーテル・ノヴァを手に持つ仕草で前に進み出る。足元に魔法陣が輝き、全属性の魔力が渦を巻く。

「炎よ、敵を焼き尽くせ!」

炎の柱が天を突き、ヴォルガノスの群れを包み込む。続けて彼女が叫ぶ。

「氷よ、敵を凍てつかせ!」

氷の嵐がシエルフィスを襲い、魔獣が墜落する。リアが涙をこぼしながら吼える。

「私の仲間を守るためだ! 貴族なんかに負けない!」


ジンが竪琴を激しくかき鳴らし、熱く叫ぶ。

「癒しの水よ、詩の調べに舞え…! アクエリア、降臨せよ!」

アクエリアが現れ、巨大な水流がテンペスタを包み込み、雷の装甲を侵食する。竪琴を手に持つジンが水の槍で結晶を貫き、魔獣が膝をつく。

「エアリスの歌は俺たちの魂だ! この村を、仲間を、絶対に守り抜く!」


カザンが熔雷槌を手に持つ勢いで突進する。

「熔鉄団の鉄は燃え尽きねえ! 家族のためにぶち抜くぜ!」

雷を帯びたハンマーがテンペスタを粉砕し、衝撃波がシエルフィスを吹き飛ばす。


戦場が熱狂に包まれる中、タクミがゼノスを睨み、仲間を見回す。

「セシルの結界、バルドのテラノス、リアの魔法、ジンのアクエリア、カザンの鉄——俺たちの絆があれば、ゼノスだって倒せる! 大陸の未来をここで守るぞ!」


結界が魔獣を弾き、ストームライダーが空を切り裂く。テンペスタが最後の断末魔を上げ、シエルフィスが地面に墜落し、ヴォルガノスの溶岩が冷え固まる。魔獣が全て倒され、戦場に一瞬の静寂が訪れる。その時、200メートル先でゼノスの巨体が低く唸り、ゆっくりと後退を始める。鉄の足音が遠ざかり、朝霧の中にその影が溶けるように消えていく。


タクミがストームライダーのコックピットからゼノスの背中を見据え、息をつく。

「また後退か…貴族の切り札も、俺たちの絆には手が出せねえってことだ。」

ゼノスの咆哮が遠くでかすかに響き、タクミ一行は情熱と絆を胸に、戦争の決着へと挑む準備を整えるのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ