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第61話:「セシルの試練と涙の装備」

風の神殿の宝箱エリアを抜けたタクミ一行は、最深部の試練の間へとたどり着く。広大な円形の部屋は、風の魔脈が渦を巻き、天井から漏れる微かな光が石床を淡く照らす。中央には巨大な魔脈結晶が浮かび、周囲の壁にはエアリス文明の神官が風の神を讃えるレリーフが刻まれている。かつて遊牧民が魔脈と調和し、砂嵐や魔獣から民を守った聖域の名残が、静かに息づく。風が唸りを上げ、冷たい空気が肌を刺し、結晶の青い輝きが部屋に神秘的な雰囲気を漂わせる。


一行が部屋に足を踏み入れると、魔脈結晶が輝きを増し、風が一層強まる。結晶から「風の守護者」が幻影として現れる。半透明の姿は古代の神官を思わせ、長袍を纏い、風を操る杖を手に持つ。その声が部屋に響き渡る。

「女よ、家族を捨てた過去を悔いるか?」

セシルが杖を握り、「私に…?」と呟きながら一歩進み出る。彼女の目に、貴族に殺された家族の幻が映る。幼い弟が泣き叫び、母が彼女を庇って倒れる光景。続いてレオンの幻が現れ、禁忌魔法で命を落とす瞬間が繰り返される。セシルが膝をつき、

「私は…守れなかった…。家族も、レオンも…私が弱かったから…」

と涙をこぼす。


守護者の幻影が杖を掲げ、

「セシル、過去に囚われ、復讐に溺れた。汝に家族を守る資格はあるか?」

と風が彼女を包む。

セシルが涙を拭い、

「タクミ、私…」

と振り返る。タクミがセシルに近づき、

「お前なら答えられる。言えよ」

と力強く言う。

セシルが立ち上がり、

「私はもう逃げない! 家族を失った痛みを、貴族を倒す力に変えるよ!」

と震えながらも力強い声で返す。

守護者が試練を与え、幻影が実体化。風刃を放つレオンの幻がセシルに襲いかかる。セシルが杖を構えるが、手が震え、

「レオン…あなたに魔法を向けるなんて…できない…!」

と叫ぶ。レオンの幻が風刃を振り下ろし、セシルが杖を落としそうになる。彼女の目に迷いが宿り、涙が溢れる。


タクミが叫ぶ。

「セシル、あれは幻だ! レオンのためにも立ち向かえ!」

リアがエーテル・ノヴァを握り、

「セシルさん、兄ちゃんはあなたを責めてないよ。私たちと一緒に戦って!」

と励ます。

セシルが目を閉じ、

「タクミ、リア…ありがとう」

と深呼吸する。レオンの幻が再び風刃を放つ瞬間、彼女が杖を握り直し、

「レオン、ごめん…そして、ありがとう! 私の過去は私が断つ!」

と叫ぶ。魔術が放たれ、風の刃がレオンの幻を貫く。幻がスーッと消え、レオンの微笑みが一瞬見える。セシルの涙が風に乗り、過去への攻撃が試練をクリアする。守護者が頷き、

「汝の涙は風に乗り、過去を清めた。家族のために力を振るえ」

と告げる。


試練の間が静まり、魔脈結晶の前に宝箱が現れる。タクミが蓋を開け、

「セシル、見てみろ」

と言う。中から上級ローブ「ウィンドティアーズ・ローブ」と上級杖「エアリスウィスパー」が輝きを放つ。「ウィンドティアーズ・ローブ」は風の魔脈を纏った薄青の長袍で、涙の模様が裾に刻まれ、魔法防御と魔力増幅を高める。「エアリスウィスパー」は風の結晶が埋め込まれた白銀の杖で、魔術の精度と威力を飛躍的に向上させる。


セシルがローブを羽織り、杖を手に持つ。「タクミ、これで…」と涙を拭い、「レオンの涙を魔法で晴らす! 貴族に奪われたものを取り戻すよ!」と叫ぶ。

タクミがセシルの肩を叩き、

「セシル、お前は仲間だ。レオンの想いも、お前と一緒に戦ってるぜ」

と笑う。

リアがエーテル・ノヴァを握り、

「セシルさん、強くなったね。兄ちゃんも喜んでるよ、タクミもそう思うよね?」

と微笑む。タクミが頷き、

「ああ、間違いねえ」

と返す。

バルドが双剣を手に、

「試練を乗り越えたな、セシル。お前なら貴族を斬れるよ」

と言う。


セリカが猫耳を動かし、

「ねえ、タクミ、いい試練だったね。これでゼノスに一歩近づいたよ」

と軽く言う。

ガイストがコックピットから補足する。

「魔脈エネルギー残量84%、装備更新を確認。次の戦闘に備えろ、タクミ。」

タクミが仲間を見回し、

「風の神殿の遺物を手に入れたぜ。貴族を潰す力が揃ってきたな。外に出て、ゼノスへの道を進む」

と頷く。


セシルが「エアリスウィスパー」を握り、

「タクミ、過去の民が守った調和…私たちが蘇らせるよ」

と風の魔脈を感じる。

一行は試練の間を後にし、神殿の出口へと向かう。風の神殿の試練を乗り越え、新たな力を手に、貴族との戦いが近づいていた。




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