第60話:「ガルドラスと魔獣の脅威」
風の神殿の迷路を抜けたタクミ一行は、宝箱エリアへと進む。地下深くに広がる空間は、風の魔脈が唸りを上げ、石壁に刻まれたエアリス文明の紋様が薄く光を放つ。約1000年前、遊牧民が「風の神」を祀り、魔脈を自然と調和させる聖地として建てられたこの神殿は、500年前に貴族の魔脈略奪で荒廃し、封印された遺跡と化していた。今では貴族の魔導技術で強化された魔獣が巣食い、古代の魔法遺物が眠る宝箱を守っている。冷たい風が肌を刺し、砂塵が舞う中、魔脈結晶の青い輝きが不気味に揺らめく。
一行がエリアに足を踏み入れると、ガイストの警告音がコックピットに鋭く響く。
「魔獣、距離50メートル! 魔脈波動強度中級以上、タクミ!」
タクミが魔鋼剣を構え、
「準備しろ、みんな!」
と叫ぶ。砂塵が舞い上がり、中ボス「ガルドラス」が姿を現す。全長8メートルの鋼獣で、魔鋼の爪と貴族の魔導技術で強化された装甲が鈍く輝く。その背後には、風を纏った魔獣「シエルフィス」2体が翼を広げ、鋭い風刃が空気を切り裂く。
バルドが「嵐の双剣」を手に突進し、
「カザン、援護しろ! 雷嵐双刃——サンダーストーム・スラッシュ!」
と叫ぶ。雷が渦を巻き、シエルフィスの一体を斬り裂くが、ガルドラスが咆哮を上げ、魔脈増幅で火柱を放つ。熔鉄団の戦士が盾を構えるも、熱波に吹き飛ばされ、倒れる。カザンが熔雷槌を振り、
「家族が…! 熔鉄団の鉄で守るぜ、タクミ!」
と火柱を叩き散らす。雷撃がガルドラスの装甲を焦がすが、鋼の爪が反撃し、
「くそっ!」
とカザンを押し返す。
リアがエーテル・ノヴァを掲げ、
「フロストフレア・ヴォルテクス!」
と新しい融合魔術を放つ。炎と氷が融合した渦がシエルフィスを包むが、制御が乱れ、魔力が暴走。風刃が味方にも飛び、タクミが叫ぶ。
「リア、落ち着け! 魔力を抑えろ!」
リアが慌ててエーテル・ノヴァを握り直し、
「ごめん…タクミ、私、ちゃんとやるよ…!」
と息を整える。タクミが頷き、
「大丈夫だ、リア。次は決めるぞ」
と励ます。
ガルドラスが魔脈を増幅し、地面から新たな魔獣を召喚。風と鋼の混成体が次々と現れ、戦場が混乱に包まれる。セシルが杖を振り、
「貴族の魔導技術…これが神殿を穢した元凶だ、タクミ!」
と魔術で魔獣を牽制する。彼女の瞳に涙が浮かび、風の魔脈が過去の神官の願いを歪めた貴族の罪を思い起こさせる。
タクミがストームライダーで魔獣を蹴散らし、
「セシル、昔の神殿は民を守った。お前らの戦いがその正義を継ぐんだ!」
と叫ぶ。セシルが杖を握り直し、
「そうだね、タクミ。私たちの戦いで取り戻すよ」
と返す。
セリカが軽やかに跳び、風刃を避けながら、
「タクミ、ガルドラスの魔脈増幅が鍵だよ! あれを止めな!」
と指さす。
ガイストが解析を進め、
「魔脈増幅装置を検出。ガルドラスの背部に集中。ドリルアーム稼働率87%、ピストルエネルギー残量83%、トルク300N・m。弱点を狙え、タクミ」
と補足する。
タクミがストームライダーを旋回させ、
「ならぶっ壊す! カザン、援護しろ!」
と指示。カザンが熔雷槌で魔獣を叩き潰し、
「道は俺が開くぜ、タクミ!」
と吼える。
バルドがシエルフィスの風刃を受け止め、
「リア、今だ!」
と叫ぶ。リアが
「雷鳴の裁きよ、大地を穿て——サンダー・ウェーブ!」と援護し、雷撃でシエルフィスを麻痺させる。
タクミがドリルアームを全開にし、
「喰らえ!」
とガルドラスの背部に突き刺す。魔脈増幅装置が砕け、火柱が止まる。ガルドラスが悲鳴を上げ、魔獣が次々と崩れ落ちる。タクミが魔鋼剣で止めを刺し、
「終わりだ!」
と叫ぶ。魔獣が砂と魔鋼の破片となって消え、熱と焦げ臭さが戦場に残る。
戦場が静まり、タクミが息を整える。セシルが壁の紋様を見つめ、
「タクミ、風の神殿…貴族に奪われた調和を、私たちが取り戻すんだね」
と言う。
タクミが仲間を見回し、
「ああ、遺物はまだ奥にある。貴族を潰す力が手に入るぜ、みんな」
と笑う。
一行は宝箱エリアを抜け、最深部へと進む。風の魔脈が強まり、新たな試練が彼らを待っていた。




