第30話:旋風と鋼の共闘
熔鉄団の地下工房は熱気に満ちていた。カザンがバルドに目をやり、大槌を肩に担いで言う。
「剣士なら俺と勝負しろ。お前らの力がどれほどのものか、見せてみろ。」
バルドが双剣を手に、試練場に立つ。
「いいぜ。貴族を斬る前に、お前で試させてもらう。」
工房の試練場で、カザンの大槌とバルドの双剣が激突する。金属音が響き合い、バルドが素早い動きでカザンを翻弄。双剣が槌の隙を突き、カザンの腕をかすめる。
だが、カザンが低く笑う。
「力だけじゃねえ!」
大槌を地面に叩きつけ、衝撃波が試練場を揺らす。バルドが吹き飛ばされ、壁に叩きつけられて倒れる。彼が息を切らし、呟く。
「俺…まだ弱い…シンダーリーヴスの仇を討つには足りねえ…」
カザンが大槌を地面に突き刺し、バルドに手を差し伸べる。
「剣に魂を込めろ。貴族を斬るなら、技だけじゃなく心が必要だ。」
バルドがカザンの手を取って立ち上がり、双剣を構え直す。彼が目を閉じ、シンダーリーヴスの燃える記憶を思い出す。母と妹の叫び声が耳に響き、剣に力が宿る。
「旋風双刃!」
バルドが叫び、高速で回転しながら斬りかかる。双剣が風を切り裂き、カザンの大槌を弾く。金属音が響き、カザンが一歩後退する。カザンが豪快に笑う。
「やるじゃねえか!その魂なら、貴族の首も飛ばせるぜ!」
タクミが試練場の端から見つめ、頷く。
「こいつなら魔鋼機にも負けねえな。いい技だ、バルド。」
夜が焔嵐大陸を包み、熔鉄団の工房の外で魔脈感知機が突然反応する。ガイストの声が鋭く響く。
「距離60メートル、魔脈波動検出!魔導士3人と魔獣接近中!」
タクミが設計図を置いて、コックピットに飛び乗る。
「来たか!貴族の追撃だ!」
ガイストMk-I改が立ち上がり、工房の外へ出る。貴族の魔導士3人(炎、雷、氷)とヴォルガノスが荒野から現れる。炎魔導士が火球を放ち、雷魔導士が雷撃を広範囲に、氷魔導士が氷柱の雨を降らせる。ヴォルガノスが溶岩弾を吐き、工房の壁が焦げる。
リアが工房の入り口に立ち、叫ぶ。
「私がやる!」
彼女が炎魔法を呼び、魔振剣に集中する。
「炎を…!」
剣に赤い炎が纏わり、タクミが機体を操作してヴォルガノスの脚に突き刺す。炎が鱗を焼き、刃が深く切り裂く。魔獣が咆哮を上げ、タクミが吼える。
「脚を潰した!次はお前らの番だ!」
バルドが双剣を手に突進し、雷魔導士に迫る。
「旋風双刃!」
高速回転斬りが雷撃を切り裂き、魔導士のローブを貫く。雷魔導士が倒れ、バルドが叫ぶ。
「お前らの魔法なんぞ、俺の剣で十分だ!」
カザンが大槌を手に工房から飛び出し、氷魔導士に突進。
「熔鉄団の力、見せてやる!」
大槌が氷柱を砕き、魔導士を叩き潰す。氷が飛び散り、カザンが笑う。
「軟弱な魔法使いが!」
タクミが魔脈ガンランチャーを構え、ヴォルガノスの頭部を狙う。爆裂弾が発射され、魔獣の目を直撃。爆発が鱗を吹き飛ばし、ヴォルガノスが膝をつく。タクミが魔振剣を振り下ろし、首を切り裂く。魔獣が倒れ、溶岩が冷えて固まる。炎魔導士が目を丸くし、荒野の奥へ逃げる。ガイストが報告する。
「敵撃退、魔導士1名逃走。装甲損傷30%、エネルギー残量70%。勝利だ。」
熔鉄団の戦士たちが工房から出て、タクミたちを取り囲む。一人が槌を手に笑う。
「異邦人、悪くねえな!貴族の犬どもをぶっ潰したぜ!」
カザンが大槌を地面に突き刺し、タクミに言う。
「お前らの鉄と剣と魔法、熔鉄団の技と合う。貴族を潰すなら、また組もうぜ。」
タクミがガイストMk-I改から降り、バルドに近づく。
「旋風双刃、いい技だ。お前が強くなれば、俺たちももっとやれる。」
バルドが双剣を手に、低く呟く。
「シンダーリーヴスの仇を討つには、まだ足りねえ。だが、近づいてるぜ。」
リアが炎と氷の魔脈を感じながら、タクミに笑う。
「私も…もっと魔法を頑張るよ。タクミとバルドさんに負けない!」
カザンが熔鉄団の戦士たちを見回し、言う。
「貴族の援軍が次も来るだろう。熔鉄団はヴェールウッドを守りつつ、洞窟の魔鋼を用意する。お前らはストームライダーを完成させろ。」
タクミが拳を握り、呟く。
「熔鉄団と組めば、鉄都ガルザードを叩ける。貴族も魔獣も、全部終わりだ。」
焔嵐大陸の夜空の下、熔鉄団とタクミたちの絆がさらに深まり、貴族の洞窟への道が開かれていた。




