最上位クラスの親
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いつもの不等号をXでつぶやき、改めて成績画面を見る。友里のテストが終わって、智子はほっと一息をついた。今度も最上位クラスをキープしてくれた。あと2点でクラス落ちだったけれど。2027年中学受験のメンバーの集まるオープンチャットにも、ギリギリキープできました!と書き込む。これでまたオープンチャットでも最上位クラスの子の親としてアドバイスを続けることができそうだ。
αをずっとキープしていた兄の雅人の受験は、思わぬ結果に終わった。1月の前受けと、午後入試の2つだけの合格で、千葉の学校に通っている。憧れ続けたあの学校は、2月1日の結果を受けて、受けることすらかなわなかった。ずっとα1の親として各方面に情報発信を続けてきた智子は、結局長男がどこの学校に進学したかは報告できなかった。5chで雅人の進学先を探った人がいた時は焦ったが、結局うやむやになった。
それでも、新小2から入塾した友里が、新小3から最上位クラスに入ってくれるようになり、最上位クラスの子を持つ親としてのアドバイスを、LINEオープンチャットやXで続けられている。
日中部屋着でスッピンに眼鏡のまま、机の前から動かない智子。時折LINEを確認しては、内容に合わせて検索したり情報を集めて返信する。今一番LINEのやり取りをしているのは同じ学校の男の子、涼介のママだ。彼女はやたらと会って話したがるので、結構な頻度でランチに行く。そのたびに、元来のサービス精神が働いて、持っている情報をつい喋りすぎてしまう。でもオシャレなお店に連れて行ってくれるので、毎回2人分の料理を並べて撮った写真を、これまた受験専用のインスタアカウントにアップしている。
涼介のママに頻繁に情報を提供するのは問題ない。娘の友里は女の子で、涼介は男の子だからだ。涼介は、雅人や友里が通って来た道である問題集を最後まで解ききって、αからスタートできそうだと分かり、素直に嬉しかった。
しかしちょっと疲れてきてもいる。今度、最上位クラスの仲間である青くんのママもランチに誘ってみよう。
「中学受験させるか迷っています@2027」
というタイトルのブログに、智子は先ほどの文字列をコピペした。
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