閑話 昨日までは親友だったけど、今日からは恋敵ですわ!
王女視点
ふふふ、無理やりお父様と、セバスを説得させここに来た甲斐がありますわね。
とても楽しいですわ。
ここは初心者の森と言われるようで大した魔物も出ず、最初のレベルアップのところとして有用だそうなので、仲のいい公爵令嬢の2人、クローネ=ブライアントというブライアント家の令嬢と、サンクトシリア=フレンスという、公爵令嬢であり聖女を連れて来ましたわ。
可哀想なのが、一目見た時から慕っていた殿方がついこの間から床に伏せっている状況なのです。
その憂さ晴らしもありますわ。
そんな時、二足歩行の豚が私たちを襲ったのです。
幸い、セバスを護衛につけていましたが、その後音もなくそいつが現れました。
「よく粘るね。」
そいつはそう言い、襲おうとして来ます。
そうして、怯えていると目の前に一筋の光が通りました。
「絶剣」
その言葉と同時に、その男の首はズレました。
‘チャキッ’と、納刀音が、響きます。
「お前、盗賊にしてはやけに強いな。何者だ?しかもテイマーか?暗殺者にも不向きなのにどうして……」
その男性は極めて美しい顔立ちをしており、さらに、わたしたちのピンチを助けてくれたという物語のような展開に心躍らせました。
「複数属性持ちでもないしね、君は何者だい?しかも、サイレントに、隠密結界も破りやがって。『地獄耳』に、『見通す瞳』持ちかよ。」
「いや、聞いたことがある。何十もの魔獣を捕まえて、暗殺に利用する、『動く魔国』か。」
私も聞いたことがあります。
暗殺方法に魔獣を使い、暗殺対象を餌にするとんでもない人で、そこそこ暮らしていたら、どこにでも耳にする暗殺者のトップクラスと聞いています。
「へえ、ぼくのことを知っているのはすごいね。まあ、それでどうだっていうこともないけど。お偉いさんが、嫉妬心で今日、この娘たちを殺して欲しいという依頼が来たんだ。いやぁ、恐らく強姦でもするんじゃないのかな?まあ僕には関係のない話なんだけどねえ。」
少し怯えてしまいましたが、助けに来てくれた男性が怒ってくれて嬉しくなります。
それからは助けに来てくれた方の独壇場でした。
物凄い威力の魔法を連発し、漆黒に輝く大剣を振り回し、惚れ惚れするような強さでした。
しかしあいつが出てから、すぐに逃げるように指示し、逃げ切りました。
サンクトシリアが聖の加護を付与していって、羨ましく思えて来ました。
「だ、大丈夫かしら……」
「言いたいことがあるのだけれど、いいかしら?」
「何?サンクトシリア?」
「私が婚約破棄した殿方の顔と全く一緒なの。」
「「え?」」
え、つまりあのお方は、この前寝てて病死扱いになったレーオン=ローランド様っていうの?
「ちょちょっと待って!?なんで生きているかさっぱり……」
「私もわからないわ。本人に直接……というか、彼が婚約してるのかは知っているかも怪しくなって来たわね。おそらく森の真ん中に捨てたのでしょう。人として、あり得ないことをしておりますわ。」
「婚約破棄するのだったら私たちも彼を私の婿にしてもよろしくて?」
「それは私もよ。」
「私は一夫多妻の方がいいと思うの。」
「……」「……」
独り占めはダメよってことなのね。
それに、3人とも仲良しなのだしこのまま結婚したい気持ちが強いもの。
ただそうであったとしても……
「彼ならきっと無事に帰って来てくれるはずよ。」
ある1人の男に惚れた女たちの感情なんて単純だったのだ。
***
「セバス、服を買いに行くわよ!」
そのセバスにとっての嵐は唐突に訪れた。
「服ってお嬢様……まあいいですけど、貴方のようお方がいくのですから、アポを取っておかねばなりませんよ。」
「むう。」
「むう、じゃあありませんよ。全く……」
えてして、セバスの正午がなくなったわけだが……
ローランドに見せるための服を買いに行くのの荷物持ちをさせられる。
因みに、この世界では執事になるには空間属性の適性がなければならないのだが、そこら辺は運で決まってしまうためどうしようもなかったりする。
荷物持ちになるために生まれて来たのだ!
〜
〜〜
〜〜〜
「この服似合ってますか?」
「はい勿論!」
セバスは心を無にする。
そう、無にしなければならないのだ。
某お金持ちのあの人より、ここからここまで全部ください!を王女はやっており、飛んでくる服を受け取り畳むという、修行僧もビックリの苦行をしていた。
というのは冗談で、王女様は試着しまくっていた今日この頃、精算を済ませ外に出ようとすると愛しのお方(笑)の声がし、急いで向かう。
「泊まる当てがないなら、うちにーーー」
「王宮に泊まりませんか?」
いっちゃった!いっちゃった!
それよりも見つめられるとか恥ずかしすぎて興奮しちゃうよっ!
必殺の無表情を保とうとするも何故か、頬が綻んでしまいそうになる。
抜け駆け……出来るかもっ!
「いえいえ、恐れ多いというかなんというか……」
「え?」
「はい……泊まって行きます。」
こんな会話じゃなかったかな?
ちょっと頭真っ白ですわ!
「兎に角、王宮へ行きますわよ!」
空気を仕切り直し、王宮に向かうことになりましたわ。
一応、レーオン=ローランドというレーオン公爵家嫡男という切り札を手に入れたのだし、この機会に婚約まで行きますわよ!
一歩先に向かいますわ!
同時刻ライバル達
「お父様、お願いします!」
「うーん、彼は一応名目上は平民なのだろう?叙爵された考えるよ。」
その言葉にニヤリと笑うクローネ。
「言質は取りましたわよ。当主ともあろうお方が娘に嘘をつくを程小さなお方じゃないと信じてますわよ。」
「ちょ、さっきのは無しかなぁ〜」
「聞こえない〜」
「教皇様、一生のお願いです!何が何でもねじ込んでくださいまし!」
「父としても、教皇としても、娘や聖女の頼みは断れんのう。」
クローネ・・・ワンチャン?←三位
サンクトシリア・・・元婚約者 主人公は知らない模様。←二位
フローレンス・・・無理矢理同衾←一位
「お父様!やっぱり、レーオン公爵家の嫡男で確定しておるようですわ!血筋に問題はないし、叙爵すればいいだけの話ですわ!私たちの救助の実績で準男爵……」
「焦るな。全く……お転婆は全くかわってないな。まあ、恋する乙女になった分は成長?だな。」
「取り敢えず、彼は私の部屋に泊めます!」
その言葉に、王は顎が外れる。
流石に例は弁えているから襲わないとは思うが、娘が襲いそうな雰囲気に顎が外れてしまったのだ。
そして、こめかみを抑え、諦めたように溜息をつく。
「はあ、許可……しよう。」
王もここまでとは思わなんだ……と言ったふうに点を見上げる。
良き天井だ!
諦めの言葉が脳内に響く。
パパ大好き娘はどこに行ったのだろう。
目尻に涙が溜まっていき哀愁漂う王に、セバスは同情を禁じ得ないのだった。
※一応主人公最強です。
13歳スタートとなっております。
他国の王女がもうすぐそこに!?
次回!王女との同衾!デュエルスタンバイ!
補足
なんか補足内容あるかなとか思うかもしれませんけど、王女様、今名無しなんですよ。
因みにこの国の名前はペレチア王国です。
ペレチア第二王女フローレンス=ペレチアという名持ちに今この瞬間からなります!
万事解決!




