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序 交錯する陰謀

勇戦国とペレチア王国――二つの大国が戦火を交えた理由は、一見すれば「聖域の森」を巡る領土争いであった。しかし、その背後には両国の抱える複雑な思惑と利害が絡み合っていた。


聖域の森は王国に絶大な影響を及ぼしていた。


広大な魔力はそこに存在するだけで意義がある。


貴族がこの国だけでスキルが二つあるのもこれが要因だ。

勇戦国の王のカリスマが無ければ王国が大陸を統一していた可能性もある。

しかし、王国よりも今や勇戦国の方が勢いがあるとまで言われているのだ。


〜〜〜


勇戦国は武を重んじ、強者が支配する国。国王ヴォルクス=ヴァルハルトはその理念を体現する存在であり、力こそが全てという信念のもと、数々の隣国を武力で征服してきた。


しかし、その強大な軍事力を支えるためには膨大な資源が必要だった。勇戦国は鉄鉱石や食料を周辺諸国からの貢納で賄っていたが、強圧的な統治による反発が次第に強まり、供給は不安定となりつつあった。


「力による支配に陰りが見え始めたか……ならば、さらなる力を手に入れるまでだ」


ヴォルクスは次の目標としてペレチア王国を選んだ。その理由は一つ――「聖域の森」に眠る強大な魔力。


ペレチア王国の「聖域の森」は古代の精霊たちが眠る場所であり、その魔力は絶大であった。もしこれを手に入れ、軍事力として利用できれば、勇戦国は再び無敵の強国となれる。


「ペレチアの聖域……その魔力を我が手にすれば、誰も我が国に逆らえぬ」


ヴォルクスはそう断言し、直ちに聖域の森へ軍を派遣。だが、ペレチア王国はこれを領土への侵略とみなし、激しく反発した。


〜〜〜


一方、ペレチア王国は聖域の森を「神聖な地」として崇め、その保護を国是としていた。ペレチアの王家は代々、聖域の加護を受けることで王権を正当化しており、王家に宿る強大な魔力もまた聖域からの恩恵とされている。


「聖域は我が王国の象徴であり、民の心の拠り所だ。それを奪おうとする者は、全て王国の敵だ」


ペレチア王は勇戦国の侵攻に即座に反応し、使者を送り退去を要求した。しかし、ヴォルクスはその要求を嘲笑し、軍勢をさらに増強して侵攻を続けた。


「聖域を侵す者に我らは屈しない!」


ペレチア王は全軍を召集し、王女フローレンス=ペレチアを将とする防衛軍を組織。王国の魔法騎士団と、聖女サンクトシリア=フレンスを後方支援に配置し、総力を挙げて聖域を守ることを誓った。


しかし、その裏にはもう一つの思惑があった。


ペレチア王家は聖域の魔力によって支えられているが、その力は徐々に衰えていた。聖域の魔力は次第に薄れ、王族の魔力もその影響を受け始めていた。


「もし勇戦国に聖域を奪われれば……王家はその正統性を失い、王国は分裂の危機に陥る」


ペレチア王は表向きは聖域の保護を謳ったが、実際には王権の維持が最大の目的だった。だが、そのことを知るのは王家のごく一部のみであり、王女フローレンスは純粋に聖域を守るため、民を守るために戦うことを誓っていた。



〜〜〜



そして、勇戦国王ヴォルクス=ヴァルハルトにはさらにもう一つの隠された野望があった。


「聖域の力……それは精霊と契約し、神の力をも超えるもの。もし我が手にあれば、この大陸すべてを支配できる」


彼は聖域の森の奥に眠る「古き精霊」を支配し、その力を軍事力へと転用しようと目論んでいた。聖域は単なる魔力の源ではなく、精霊たちの力が封じられた場所でもあったのだ。


「ペレチアが愚かにもそれを保護するというならば……我が力で奪い取り、我がものとするのみ」


ヴォルクスは絶対的な力を求め、聖域を手に入れることで自らの覇権を確立しようとしていた。そして、彼は部下である勇戦国の将軍ギルバート=ヴァルハルトを聖域奪取の任に就けた。



〜〜〜



そして、この戦争にはもう一つの思惑が絡んでいた。それは聖女サンクトシリア=フレンスの存在だ。


彼女はペレチア王国の聖堂で祈りを捧げ、民の癒しを司る存在として絶大な信仰を集めていた。しかし、その聖力もまた聖域の魔力に依存していた。


「聖域が失われれば……私はただの無力な少女になってしまう」


サンクトシリアはその事実を知りながらも、民のために笑顔を見せ続けた。だが、その心は次第に不安と恐怖に蝕まれていた。


「もし、勇戦国が聖域を奪えば……私は……」


しかし、彼女は戦場に立つことを決意した。癒しと聖なる力で兵たちを支え、彼らの命を守ることが自らの役目だと信じたからだ。


「戦う人々を守らねば……それが私の使命」


こうして思い悩んでいる間にも刻一刻と戦争が始まろうとしていた。



〜〜〜



こうして、聖域の森を巡る戦争は始まった。しかし、その裏には両国の複雑な思惑が絡み合い、戦場に立つ兵士たちの命と運命を翻弄し続けていた。


ペレチア王国は聖域を守ることで国を保つことを望み、勇戦国はその力を奪い取ることで大陸制覇を狙う。聖域はただの土地ではなく、両国の未来を左右する聖なる力の源であり、支配と信仰の象徴だった。


そして、ローランドやフローレンス、クローネ、サンクトシリアは、この戦争の中で己の信念と向き合い、運命に抗うために剣を振るう。

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