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19 台車で運ばれる災龍《ディザスタードラゴン》の死体

 災龍の死体。

 これをどうするか。

 喫緊の問題としては最重要だ。

 馬車で引きずれるのか?

 頑張って運ぶか。


軽量化(アングラビティー)


 最大値の半分に設定しても俺の肉体で持ち上がらないって話をする?


 取り敢えず……


「フレス、炎出して」


「ん?いいわよ。でもなにに使うの?」


「それはお楽しみって事で」


 そんなことを言いながらくすねてきた光輝金剛石(オリハルコン)の原石を取り出す。

 これは一応俺が作ったものだしな。

 1000メートル級だがそれは別のお話である。(そんなわけない)

 圧縮、膨張って某小説サイト十八番であるアイテムボックスの下位互換だよなー。

 圧縮しすぎるとぶっ壊れることもあるしね。


「ふぁ!?」


「ハハッ、ドッキリ大成功じゃ無いか」


「し、心臓が止まるかと思ったよ〜」


 涙目でそんなこと言うなよ、照れるじゃ無いか。


「これをまず、火種の中に突っ込みます。そして、変容しまーす」


「本当にすごい技術力を持ってるわよね、貴方。手先も相当に器用だし」


「俺自身、何かを作るのが好きだったてのもあるかもな」


 俺が入る前のローランドは結構、布地を造るのが好きだったみたいだぜ?言わないけど


「発想力と創意工夫の力が桁外れよね、貴方」


「ああ、ありがとよ」


「んん……褒めてないのだけれどね」


 フレスは成長していた。

 文字通り大人っぽくなっていた。

 災龍(ディザスタードラゴン)事変の時も何故己はそこへ向かわなかったと後悔をした。

 これからはさらにローランドを支えていけるようにと、(さなぎ)を脱いで一段と大きくなったのだ。


 そのつぶやきは俺の耳には入ってこない。

 急に火種の熱が上がったからだ。

 今が最大値だと言うふうに、送り込む魔力を微調整しながらも増やしていく。


 そして出来上がったのが……


 光輝金剛石(オリハルコン)の糸と歯車と車輪付き台車だ。

 ここまで来たからには分かる奴もいるんじゃあ無いか?


 そう、滑車だ。

 これを知らないアホはいないだろう。


「あ!これ、電導王国で発掘して持って帰ってきてもらった歯車と糸に似てるわね」


 ふむふむ、電導王国は相当な知識人がいたとみえる。

 所謂、超古代文明って奴だな。憧れるぜ。


「この糸を災龍にくくりつけていきます。その後歯車に糸を回します。そして、逆方向には残りの光輝金剛石(オリハルコン)を吊るします。これだけでいけるかな?」


 正直言って光輝金剛石(オリハルコン)の割合ってまだまだ研究できる内容なのだ。

 しかもまだ未発見である黒輝金剛石(アダマンタイト)の研究も進んでいない。

 いつか研究に没頭してもいい日が来ればいいのに。


 そう思いながら吊し上げられる災龍を見上げる。

 いやー壮観、壮観。


「それじゃあこれを運びますかぁ……」


 気合十分な掛け声を入れて(本当か?)出発する。


「身体強化・極」


 体中に魔力を巡らせて普段の10倍の贅力で押し出す。

 そこまで早くは無いが、この距離だと1日で着くだろう。

 そうなったら大変だ。


「フレス、先に行ってていいんだぜ?」


「バカね、私だそんなことするわけないでしょ。貴方にどこまでもついていくわ」


「泣けるじゃねえか……」


 それほど言ってくれるってことは慕われてるってことだよなあ、俺。

 幸せ者だよな……


「俺がこんなリア充みたいな生活送ってていいのだろうか?」


 俺はローランドから体を奪った。

 今頃あいつは天国で俺にブチギレているかもしれない。

 もしかしたら神様が宥めているのかも知れない。

 どっちにしろ、神様とはもう一度会って話をしてみたいものだ。


 生命昇華(オーバードライブ)

 あれは危険な代物だが、あれは祝福(ギフト)

 いや、そうでは無いはずだ。

 第一俺が見ていない。

 とすると、神ゼノスですら考慮していない何かだ。

 神話では確かゼウスは雷神だった。

 ゼノスもそれになぞって雷神である可能性が高い。(メタい)


 とするとまた別の神が関与している可能性が浮き彫りになってくる。

 その可能性もあるが難しい判断にはなるだろう。


 現状一番黒いのが魔王だ。

 ただ魔王を作り上げた者、いや、神か。

 神がいるのもまた事実ではあるのだ。

 よほど大きなどんでん返しが起こらない限り、雷神ゼノスは死なない。

 しかし、死んだときのことも考えておく事は重要だ。

 神話通りにゼノスも女好きの可能性もある。

 かの神は夜道に気をつけるべきだろう。

 俺はそんな下らないことを考えながら台車を押し続けるのだった。


 ◇◆◇◆◇◆


 やがて門に着く。


 は、入らない……だと?


「お、こ、こここここここれはああああああ!?もしや貴方様はローランド様でございますか!?」


「ん?ああそうだ。しかしまあ疲れたな」


「も、申し訳ありません、今は厳重な警戒体制を敷いていたものですから」


「いや、特にそう言うことは気にしないでいい。こいつが災龍だからな」


(いや、見たら分かるわボケーーー)


 内心で門番は大慌てだった。

 しかし、これは報告して命令を仰ぐ必要があると判断した門番は、急ぎ、報告に向かうのだった。




「サンクトシリア様!ローランド様のご到着です!」


「災龍は!?大丈夫だったの!?予定より遅れてるわ!」


「そ、それが、既に災龍を討伐しているようでして……」


 こんな会話が繰り広げられたのはまた別のお話。


 ◇◆◇◆◇◆


「ん〜並んでいる人たちがいっぱいだ……って何でモーゼみたいなことになってるんだ!?」


 急に道を譲ってきたのだ。

 正直言って、そっちの方が早いからいいが……


 門番さん?

 そんな慌てなくていいんだぜ?

 ん?報告に行っちまったか。

 まあ、子爵が尋ねてきたんだ。

 それは必要だろうな。(違う)


「行こうぜ。フレス」


「貴方の今考えていることが違うと言うことを察してしまったわ」


「んー?何のことだ?」


 本当にわからんのだが。


「はあ、まあそう言うところって言っておいてあげるわ」


 そうゆーとこ?

 まあいっか。

 取り敢えず、サンクトシリアに会いにでもいくか。


 そう思いながら道を歩く。

 腕が疲れたからだらんと垂れ下がっている。

 泣きたい……

 フレスが手伝ってくれなかったらどうなっていたことだろうか。


 腕にそこまで力が入らない。


 そんなことを思っていると前からある女性が走ってきた。

 それはみんなよく知っている、サンクトシリア=フレストだったのだった。

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