15 vs災龍《ディザスター・ドラゴン》② 躁血術《マニプレートブラッド》
生産系魔術。
其の本質は“物質の変容”
俺の体の一部を介することでその原子の配列を思うがままに、操ることができる権能。
しかし、これには大きな弱点がある。
それは、“魔力の消費が激しすぎることだ”。
そのせいで、このスキルは使えない奴扱いでもある。
他にも一応様々な魔法が使えるが、それも魔力のコスパが最悪なのだ。
それが、俺ととても相性のいい。
話が逸れた。
要は、俺の血を槍にする事で、災龍に突き刺し、そこから奴の体を回復不可能なくらいには細胞を壊しまくる事で討伐しようって言う事なのだ。
「干渉、変質、変容」
その瞬間、その箇所が押しつぶされている様だ。
しかしそいつは再生を使い、全身が回復する。
その度に俺は干渉、変質、変容を使う。
つまり奴は魔力が切れたら終わりという、時間制限がオートでついたのだ。
じゃあ、俺ももう一回、前線に戻るか。
いや、その前に……
「召喚・阿久良王」
呼び出しておくか。
「さあ、行くか」
勝ち目のない戦いに反撃開始だ。
◇◆◇◆◇◆
「颶風の嵐」
空神がその紅葉型のうちわを振るう。
扇子?
どっちだ?
いやでも、どっちかっていうと開け閉めできないからうちわか。
「阿久良王!主人様!援護ありがとうございます」
「反撃開始だ。でもこっからは焦らす。時間稼ぎで行くぞ。あいつの魔力を浪費させる。魔力切れを狙っていくぞ。めんどくさいから説明できないけど、今あいつは魔力の浪費状態だ。どんどんいくぞ」
早口に状況説明を行う。
これ以上にわかりやすい説明があるだろうか?いや、無い。
兎にも角にも結局は時間稼ぎでしか無いのだ。
精一杯悔いの無い様にな。
周りの被害は……
考えない様にするか!
「天剣」
天剣流剣術奥義だ。
大剣撃と大差で変わらないなんて言うな。
師範が泣く……
「ぐるおおお」
災龍が叫び声を上げる。
「颶風の嵐」
空神がうちわを振り下ろす。
再び地に痕が残る。
「ぐるああああ」
狂気的な叫び声を上げた。
その瞬間、災龍に阿久良王が激突する。
その威力は災龍より少し劣るが、タメを張れるくらいの威力はある。
眼前の空気が揺れ、その威力の壮大さが伝わる。
「雷嵐」
嵐の形をした雷が現れる。
その雷が災龍を滅せんと蠢き、羽根に食い込む。
全身が、一度感電したためか、一瞬だが硬直する。
それを阿久良王が見逃すはずもなく、強烈な一撃を叩き込む。
更なる攻撃を受けた災龍は、あまりの痛みに咆哮を上げる。
その後阿久良王をキッ、と睨め付け口内に魔力を貯める。
「阿久良王、避けろ!」
思わずそう叫ぶ。
何故なら、国を滅ぼした咆哮、魔龍咆哮を発射しようとしていると考えたからだ。
そんな一撃を受けたら阿久良王と言えども軽症ではすまない可能性も高い。
命令通りに、阿久良王は大きく跳ね上がる。
その真下を通ったのは、文字通り“災い”であった。
三キロ先は何も無し。
あたり一面焼け野原。
原爆も一応知識として存在するが、それすらを軽く凌駕している。
「有り得ない」
驚いた俺の喉から出た声は至極単純で且つ、驚きを滲ませた声だ。
普通どころか金輪際無い様な一撃を射出した災龍に戦慄した。
しかし、慄いているだけでは勝つことはできない。
あれは相当な魔力を消費したはずだ。
なら……
「岩砕き」
奴の鱗を剥ぐ。
割る。
それであいつの再生の消費量も増える。
この岩砕きは、そこまで魔力を使わないが、一定以上に相手が硬いと相当量の魔力を消費する。
駄菓子菓子、こちらの魔力は無限、あっちは有限だ。
この飾り合いは、魔力が多いほうが勝つのが自明の理である為、こちらが相手を振り回すことができる。
「炎槍、自動追尾」
その槍は相手の瞳挟み込まれる様に、飛ぶ。
自動追尾は、非常に便利な魔法だ。
まあ、効率は悪いが。
これは、生産系属性の、変容と理解を利用している。
周囲を理解し、どれだけ変容すれば標的まで届くかの計算を更に理解させる。
そうする事によって、自動追尾ができると言う訳だ。
災龍の瞳が溶ける。
文字通り、だ。
「ガッガァあぁぁあー」
痛みにのたうち回るも、末には再生を使用した事で何とかなった様だ。
ただ、この程度で終わると思うなよ?災龍?
「火纏・颶風剣、模倣」
颶風剣と云う、強力な風で型取った剣に、火を纏わせる。
そうする事で、火纏・颶風剣が生まれる。
模倣は、変容で、その存在そのものを変容して隣に移す。
しかし、運命力と言う強制力があるのでその場所に戻ろうとする。
それを利用した、模倣だ。
そこに戻ったが、元に戻る前のは消せなかった。
その結果同時に二つの魔法が存在する事となる。
しかし、魔力が大きすぎると肝心の変容が出来ない為、課題も多いのも問題だ。
「行け」
俺の周りに魔法陣式に並び、飛んでいく。
魔法陣式に並べるのに意味があるかって?
ある訳ねーだろバカやろー!
俺の趣味だってーの!
次々と飛んでくる小さな魔塊に辟易したのかはわからないが、羽を大きく振り、風を送り出す。
その対応に少し驚くも、こちらは罠にハマったな。と、ほくそ笑む。
そんな風送っちゃうと、火がもっと広がるよ?
なんちゃって。
ひ、ひ、ね。
くだらないギャグやってる暇があるんだったらetcって言いたいのは分からんでも無いが、自重してくれ。マジで。心から。
俺の心が折れる。
その体に燃え移るも、殷々と燃え続ける焔に驚く。
やつの送り出した風って酸素が多いのかな?
ようし、今夜の飯はドラゴンの丸焼きだべさ、とはならずに奴は再生を繰り返す。
あのーそろそろ枯れてくれん?
こちとら2時間はお前の魔力消費させとんねん。
……あ、まだそんな経ってないわ……
はあ、もうええわ。
疲れた。
帰って膝枕して貰うんだ!(フラグ)
うし、バフのリセットじゃ。
「聖の刻印、風の刻印、炎の刻印、土の刻印、水の刻印、重の刻印、闇の刻印、勇の刻印、練の刻印、生の刻印」
刻印って何回言えばいいんだろう?
「身体強化・全身・極」
阿久良王にかけてやる。
ふっふっふ。
巻き返しじゃ!
その瞬間、奴の……………………




