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13 生命ノ燃焼

「まあ、保険でも掛けておくか……鑑定!」


 ___________________________________



 生命ノ燃焼(オーバードライブ)


 生命力、魔力、そして寿命を消費して己を強化する魔法。

 その代わり、人ならざる力を得ることが可能となる。


 ___________________________________


 これはマズイぞ。

 つまり盗賊共の力が急激に増したのもコレか。

 予想は付いていたがコレほど悪辣なものとは思っていなかったぞ!


「身体強化・脚!」


 ズウウ、と、足に魔力が集まるのを感じる。

 己が足だけに力をこめる。

 空を切り風を切り、そして音をも切る。

 その速さには肉眼で追い付くのも至難の業である程、速い。

 そう、速いのだ。

 しかし、逃げる側も一筋縄でいかれた困るのだろうと思い、俺は……


「吸い込め、空虚(そらなき)


 そう言った瞬間、太陽と見紛う程の巨躯をしている、黒々とした妖が現れる。

 その体躯には黒炎を身に纏い、有り得ぬほどの魔の力を発する。

 その様は、本当に太陽ならぬ、黒陽が現れると勘違いしてしまう物であった。


 それは重力を吸い込む。

 そして、そして、そして……


「はあああああ!」


 加速する。


 地を抉っている。


「ひっはっはっはっは!」


「おい、ついた、ぞ!」


 多少、いや、相当量の息切れを行いながらもその男に語りかける。

 俺の顔をどうなっているのだろうか?

 恐らく、目だけで奴を殺してしまう程でもあるのだろう。

 流石に温厚な俺でもキレる。


「ひゃー、お速いんですねえ!でも、こっちらが既に、王手を、掛けているんですううよおおお!」


 うん、ごめん、何言ってるかさっぱりだわ。

 でも、負の感情だけは異常なほどに溢れ出している。

 コレは何なのだろか?

 この顔面、ものすごくイライラする。

 不快感が凄い。

 俺のボキャブラリーを殺しにきてるとしか思えないのだが……


従魔召喚(カモン)!」


 いや、やっぱり面白いよな、従魔召喚の合図。

 だってあれと1文字違いだぜ?

 あの、召喚(サモン)と。

 作った奴、絶対徹夜明けだろ。


 てかコイツ、従魔士だったん!?


「そりゃあ、やべえな」


 一つの可能性が頭に過ぎる。

 生命ノ燃焼(オーバードライブ)は魔物にも適用する可能性、だ。

 コレだけで一つの戦局は軽々とひっくり返る。


「ごぶりん?おーく?行くよ?生命ノ燃焼(オーバードライブ)!」


「ぐがああああ」


 自明とも雄叫びとも取れる声を上げる。

 耳を劈き不快にさせる様な音に、目を見張る。


 嘘、だろ?

 存在進化?


 ____________________


 ゴブリンロード


 備考:強力無比な力を持つ。

 ただ、俊敏性はオークにすら劣るとも言われる。


 ____________________


 ____________________


 オークロード


 備考:耐久力と攻撃力がずば抜けている。

 ロードの双眸を並べるゴブリンロードとは比べ物にならない贅肉を誇っている。


 ____________________


 冷静に考えろ……


 前衛がいないこの状況。

 普通の人間だとどうにもならない。

 ただ、俺はもう、“普通の人間”を越すことが可能だ。


 超越者(トランセンデンタル)


 人であり、尚且つ、人を越す者。

 存在進化。


 俺は実際に見たじゃないか。

 上位人間(ハイヒューマン)を。

 ホモサピエンスとはまた違う何かを。


 俺は、其れに成る。


「無限の魔力を循環せしめよ」


 人は簡単に限界を越すことができない。

 それだけの魔法を使う。

 越すだけの、魔法。


限界突破(ゾーン)


 脳が異常に働いているのか、頭が熱い。

 焼き切れそうな程だ。

 しかし、それ以上に視界が動くのが遅い。

 今まで、鍛えが足りなかった問題で使ってこなかった物を、今、使う。


全開放(ホワイトホール)


 神級重力魔法全崩壊(ブラックホール)と、双眸を成す、それは、反重力。

 全てを弾き出す力持つ。

 奴は、あまりの速さに驚嘆する事となる事しかできない。


「ーーーーーーーー」


 何か言っている様だ。

 しかし、俺は限界突破(ゾーン)中だからか、何も聞こえない。


 じゃあ、行くか。


「大剣撃、爆風」


 音を置いて行くほどの速度で、塵にする……予定だったが、意外に硬い。

 腕しか爆ぜていない。


「ちょーかてーなー」


 片言しか言えない。

 不器用な体と犠牲に一時の強さと考えれば儲けもんだ。


 オークロードが殴りかかってくる。


 腕で守るもその巨躯に生えている、俺の全長以上の腕に吹き飛ばされる。

 こんなのZクラスだぞ。

 いや、その中でも最上位と言っても過言じゃない。


業火(フレア)


 俺を中心として、辺り一面に炎が広がっていく。

 この状況だと、俺が圧倒的に有利だな。


焔裂き(ほむらざき)


 目の前の炎を切り裂き、視界を広げる。

 広がったのは一瞬だ。

 しかし、全ての感覚が研ぎ澄まされたことで発する“気配探知”を使用する。

 そのお陰で見えぬ物、見える物、全てが見える。


「紫電一閃」


 “バチバチッ”


 辺りに光輝金剛石(オリハルコン)から漏れ落ちた電気が辺りに放電する。

 雷の速度で、ゴブリンロードに向かう。

 そして、そのまま


「斬」


 首を切り落とす。


 何を置いて行くのか。

 そんなの決まってるじゃないか。

 生命(いのち)だよ。


 くっ、限界突破(ゾーン)も切れたか。


「まっさか、ここまでとはねぇ……こっちも全戦力を出さなきゃなんないとは思わなかったよ」


 そう言った瞬間、片手を突き出し、叫ぶ。


従魔召喚・翊獣(カモン・ワイヴァーン)


 現れたのはSランク級の魔物、ワイヴァーン。

 空からの攻撃は何人にも防ぐことはできないし、魔法使いがいたとしても火力不足だからだ。


 ただ、俺にはそんな事は関係ない。

 だって俺は、超越者(トランセンデンタル)なんだから。


神雷・全能神(かみいかづち・ゼウス)


 黒雷とも呼ぶべき雷が空から舞い降りる。

 その雷は光や音を置き去りにして最も早く落下し、届く。

 目の前の男はそんな現実すら受け入れられない様だ。


「あっ、犠牲(スクラッチムーブ)


 思い出したかの様に移動する。

 しかし、その男の対応力も見事な物だ。


生命ノ燃焼(オーバードライブ)


 その瞬間空は揺れ、地は抉れ、鼓膜は破れた。


 現れたのだ。


 其のワイヴァーンは存在進化した。


 災龍(ディザスタードラゴン)へと。


 国を咆哮一つで消し飛ばしたモノへと。


 しかし、この場にはそれを止め得る存在はこの場に存在する。


 始まった。


 災害指定個体、ZZクラスの龍、災龍(ディザスタードラゴン)との戦いが今、幕を開けた。

さて、たった2話で一番盛り上がるところまで行って申し訳ないですが、これ以上の戦いも存在します!

是非、お楽しみしろください!

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