10 総決算での叙爵式
本日は土日と言うことで18時にも投稿いたします!
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「総決算を行う!」
王が声高に宣言する。
総決算では各大臣や貴族達が全員集合し、国家予算をどのように使い、どのぐらいの収入があるかを話し合う場だ。
それ以外にも勲章授与式、叙爵式、弊爵式、賞典授与式などがある。
更に言えば、爵位は次代がない名誉爵なら買うことが可能だ。
なので、面倒な検査をある程度潜り抜けたり交渉の武器にするためにも、ある程度成功した商人は準男爵の爵位を持っていることが多い。
「ついにこの時が来たわね」
フレスがるんるんといった様子で言う。
嬉しいのか?俺もだ。
あいつらを見返せるぜ。
取り敢えず、この世界でのお金の価値はこうだ。
石貨 1円
銅貨 5円
鉄貨 10円
青銅貨 100円
銀貨 1000円
金貨 10000円
聖金貨 100000円
だ。
「総決算を発表します!支出、軍備、金貨100000枚!」
「ふむ?」
「内訳は武具五割、手入れ一割、人件費三割、残り予備一割」
ん?呼び多くないか?
や、そうでも無いか。
魔物の氾濫や急な災害にも対応しなくちゃいけないしな。
隣国との小競り合いの時の出費も鑑みると妥当な判断だろう。
「税金、金貨4563490枚、今年は冒険者ギルドが開催するオークションにて聖金貨120000で降ろされた特殊個体Zの毛皮、爪、睾丸、目玉、臓器などが挙げられます。この一割は主催者である冒険者ギルドに入りますが、その五割は国に納めなければならないのです。なので今は比較的に国庫が潤っている状態です」
そう言いながらも明らかにこちらをチラチラ見てくる。
うん、わかってるよというふうにアイコンタクトを取る。
「農業は今年から輪作と言う制度を取り入れた為、上昇傾向にあります。王都直轄領でもその影響は大きいです。今後どのように上昇して行くかが国家予算での使用幅が広がりますので、ファムクリー農務大臣は今後ともよろしくお願い致します」
輪作ってあれだよな?
麦作った後にじゃがいもとかにんじんとかを作る奴だよな?
確かそれを育ててる間は栄養が養われるとか何とか。
これを考えた奴はすごいな。
現実でここに生きているとかだったら絶対に思い付かなかった内容だ。
「次に各領地からの……」
「失礼!発言宜しいだろうか?」
そう叫んだのは他でも無い俺の血のつながった親、レオール家領主、レオール=セルダンだ。
「何でございましょうか?セルダン軍務卿?ここまでの決定に何か異論がありますでしょうか?」
宰相も強気に反論する。
確かにそうだ。
この時点だと、軍備に割かれるお金は去年より1.1倍ほどにはなっていると言えども全体の税収を見ると何処となく少なく見えてしまう。
これは恐らく、緊急用の金なのだろう。
もし何かの拍子で足りなくなったりしたら目も当てられない。
「これまでの決定にない事だが個人的に公の場で、フレスト家領主にお聞きしたい。なぜ我が息子、レオール=レッターから婚約破棄なさったのかを!」
「はあ、公式の場で聞く物ではない気がするが」
聞いても良いのだ。
ここで質問する事で今までのらりくらりとかわしてきたのだ。
陛下の御前だ。
ここではぐらかしたりすると、陛下の御意志に背いたこととなる。
しかし、罠に嵌めようと考えていたのは何も俺たちに限ったじゃなしではないのだ。
この場で追求するべきところを追求するだろう。
のらりくらりと交わしてきたのはお互い様なのだから。
「では、こちらも問おう!なぜそちらの嫡男レオール=ローランドでは無いのか!?まず人をすり替えてきたのが驚愕だったぞ!」
「ふん!しかし、もう奴は死んでいるぞ?」
「そんな訳ないだろう、ほら、ローランドおいで!」
「は!」
今更だが、何この茶番?と感じてしまう。
当事者が何を言っている?と言うかもしれないが。
まあ当たり前の事だし義務でもある。
何しろ、賢者とも謳われた時代を持つ彼こと父だ。
最大限警戒しておくに越したことはないそうだ。
「何!?お前、どうやって生き残ったんだ!?」
「レオール=セルダンの息子は嘘を吐きました」
「誰が嘘をついている?お前か」
「はあ、全部それのせいにして俺が納得するとでも?彼が自らの愛する側室の子で正室はすでに死んでいる……そしてその息子も……これで邪魔者はいなくなりましたね」
「そんなことはしておらん!大体、証拠などないだろう!」
それはそう。
俺もレオール家にいた時の記憶は朧げにしかしない。
ただ……
「ええ、無いですね。しかしセルダン軍務卿、話を戻すとそもそもとしてフレスト教皇家との婚約だったのでは?本人にその話を伝えなかった」
これは婚約破棄のことを言っているのだが、俺は森の中に居たのだ。
連絡の魔道具で婚約破棄したのだったらそもそも俺に伝えるのは無理だろう。
これはただのカマかけだ。
「くっ……それもそうだが、だが、今の嫡男は勇血属性を操り、天から勇者の名を賜っているのだ。レッター以上に相応しい家などそうそう無いだろう?」
確定事項の様に告げる様に苛立つ。
そもそもなあ……
「俺は生産系属性なので燃費が悪い代わりにどんな魔法も使うことができる能力なんですよ?これは割とみんな知ってる話ですよね?そして俺は魔力無限を手に入れているんです。なので、勇血属性など様々な属性魔法を操っているんですよ?」
まあ、それにはストーリーが必要だけどね。
「な……」
『……』
レオール=セルダンやその他の人達が口をあんぐり開けている。
それはそうだろう。
この世で考えうる限り最強のコンボスキルなのだから。
それ以降は何も言わなかった。
まあ、これ以上何か言っても墓穴を掘るだけになると気付いたのだろう。
その後も会議は粛々と続いていった。
そうして、やがて、叙爵式が来た。
「叙爵式を始める!まずは名誉準男爵、ミルス、スラップ以上2名を準男爵に封ずる!家名を決めよ!」
「私はクリストファー=ミルスでお願い致します」
「私はエアフレッド=スラップでお願い致します」
名誉準男爵の勲章を腕に巻き付ける。
「「有り難き幸せ」」
「功績は金貨10000枚の納入」
成程、ああ言うのね。
「次に子爵をローランドに授ける。家名はどうする?」
俺の瞳は翠色。
なので……
「私はジェイド=ローランドでお願い致します」
「ちょっと待って下さい!いきなり子爵となると領地も与えなくてはならなくなります!それに順当に行くかなら男爵では無いのですかっ!」
「功績は特殊個体Z討伐、古代の遺物である光輝金剛石を100キログラム納入している。そして、現状、冒険者ランク青輝石級は全員子爵と言うこともあり、異例を認めることとなった」
この言には誰も文句を言えずに総決算はそれを機に終わりを迎えた。
こうして、ある程度の家族の問題に踏ん切りを付けたのだった。
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これは前話での最後のシーンの直前にこの話の最初の部分が入っています。




