レイモンドの婚約者
レイモンドは7歳のお披露目のお茶会の日に妖精のような姿の、ある令嬢と婚約した。
だが婚約者は傍若無人、傲慢で貴族であることを鼻にかけ他人を見下し平民を人とも思っていない態度、王太子妃教育や勉強嫌いで逃げてばかりいる姿を見て苦悩するが優しい王子は婚約破棄出来なくてそのまま学園の最終学年を迎える。
そこで聖女となる少女と出会い恋に落ちてしまうのだ。それでも婚約破棄する事も想いを告げる事も無かったが危機感を感じていたレイモンドの婚約者は魔王の手下となり聖女を殺そうとする。
そしてやむ無く婚約者を手にかけるのだ。
重要なのはここからだ。その婚約者の名前はルイーズ。
そう、ルイーズなのだ。完璧私だ。
婚約までの流れが少し違うが間違いない。
「世界の果てを君と」に出て来るルイーズも見た目は妖精のように可憐で優しそうなのだ。
しかし中身は酷いものだ。原因は両親の接し方では無いかと思う。
お父様とお母様はデロ甘だ。職場見学とはいえお城にまで連れて行った事からしても甘さがわかるというもの。うっかり議会にまで付いて行きたいと言えば片手に乗せて参加させそうで恐ろしい。
唯一の良心乳母のマーサにしても躾として叱ってはくれるものの強くは言ってこず私の事を溺愛しているのがわかる。そりゃそうだ。手ずから育てた子どもなのだもの。
それに何を言っても両親がアレなのだ。そのうち私自身がマーサに反発し出すのが目に見えている。人間甘い方に流される方が楽だもの。