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メインヒーロー

レイモンド・ウィリアム・フォン・シュラルグ。

その名前を聞いた瞬間様々な記憶が駆け抜け目眩がした。ガクガクと手足が震え始め上手く力が入らない。

立ち上がろうとしたが私はその場に崩れ落ち、テーブルに頭をぶつけてしまった。

「「リズ!」」

お父様が私を抱えあげる。

「リズ、急にどうしたんだい!」

「体調が悪いのか?急いで侍医を!」

(け、結構ですー!!)

レイの侍医なんて恐れ多い。だけど全力の拒否は悲しいかな口から出ることが無かった。

未だ力の入らない私を抱えたお父様は真っ青でレイの顔にも焦りが見える。

私はそのまま子供部屋の豪奢な天蓋付きのベッドまで運ばれた。ドレスを脱がされシュミーズのままレイの呼んだ侍医の到着を待つこととなった。


侍医の到着を待つ間に少し力が入るようになって来た。

「殿下、お父様、心配をかけてしまってごめんなさい」

「気にする事は無いよ」

「そうだぞ、殿下のおっしゃる通りだ」

まだ青い顔のお父様とレイ、それにお母様も心配そうだ。

そうしているうちに治癒士である侍医が到着した。

頭にたんこぶはあるものの体に異変は見つからず過度のストレスから来るものだろうと言われた。

お父様とレイは婚約の話が急過ぎたのだろうかと申し訳なさそうにしていたが原因はそうでは無い。


先程流れ込んできた記憶。何故か漠然と前世の記憶というものだと悟った。

この世界とは違う魔法の無い世界。覚えているのはその世界で1番好きだったゲーム。ハマって課金までした恋愛シュミレーションゲーム。いわゆる乙女ゲームだ。

「世界の果てを君と」RPG要素もある神作だった。とにかくストーリーもキャラクターも絵も声優も大好きなものをぎゅっと詰め込んだようなゲーム。ハマらないわけが無い。その中でも1番大好きだったのがメインヒーローのレイモンドだ。優しくてかっこよくて声まで良い。


信じられないことに今目の前にいるレイモンドこそ、その攻略対象なのだ。まだ幼い顔つきだが目や髪の色、名前までそのままだ。

絵から現実の人間になっているせいでわからなかったが名前を聞いて全て思い出した。

読んで頂きありがとうございます。

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