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お父様とのお話

朝食を終え子供部屋へ戻る。

今日は元々家庭教師が来る予定も無かったし時間が来るまで遊んでいよう。

マーサに絵本を読んでもらうことにした。

一昨日も読んでもらった絵本だ。

お姫様が悪い魔物の王様にさらわれるけれど王子様がやって来て悪い魔物の王様を倒し、お姫様を助けるのだ。そしてふたりは豪華なお城の舞踏会で踊る場面で物語は終わる。

私はこの絵本が大好きだ。可愛いお姫様、悪い魔物の王を倒す王子様、そして煌びやかなお城での舞踏会。何度もマーサに読んで欲しいとおねだりしてきた。

昨日は本物の王子様に会えたし、お城にも行けた。残すはお姫様だけだけれどそれは可愛い私でなんとかなるかもしれない。

そうして子供部屋で過ごしていると扉がノックされた。マーサが対応する。相手は執事のようだ。

「お嬢様、旦那様がお呼びだそうです」

「わかったわ」

そう返事をしてマーサと共にお父様の書斎に行く。扉をノックすると中からお父様の声が聞こえて来た。

「誰だ?」

「ルイーズですわ。おとうさま」

「そうか。入りなさい」

入室を許可されたのでマーサを残しひとりで書斎に入る。

「そこに掛けなさい」

ソファに腰掛けると机を挟んで対面にお父様も座った。

「聞いていると思うがこれから第一王子殿下が来られる」

「はい、聞いていますわ」

「その内容がだな・・・」

お父様は何か言いづらそうに口ごもった。

「なにかありましたの?」

何か悪いことなのだろうか。私は首を傾げた。

「いや・・・それが・・・」

「?」

「お前との婚約の話なのだ」

「こんやく?」

「本当なら今までのように王子が7歳のお披露目の茶会で決まるものなのだ。それなのに5歳の魔力測定を待たずしてまだ3歳のリズに婚約を打診してくるなんて・・・いや、まだ婚約者候補なのだが・・・それでも・・・」

お父様は途中からなにやらブツブツと呟き始めてしまった。

それにしても「こんやく」とはなんだろう。

「おとうさま、こんやくとはなんですの?そんなにわるいことですの?」

なんだかお父様がこわい。

「いや、悪いことではないぞ!結婚し、夫婦となるということだ」

「けっこん!」

結婚なら知っている。お父様とお母様のようになることだ。

レイと結婚。それは素晴らしいことじゃないか。

だってあんなに綺麗な男の子と結婚出来るなんて。

「おとうさま!私レイと結婚いたしますわ!」

私は前のめりになってお父様に言った。

「いや、待て、まだ候補なのだ。5歳の魔力測定までは決定では無い」

「こうほ?」

「結婚すると決まった訳では無いが、魔力測定で良い数値が出れば婚約者となり将来結婚するのだ」

「それでも良いですわ。おとうさま」

難しい事はよくわからないが魔力測定で頑張れば良いのだ。

私は乗り気だった。

「王家からの打診を断れるものでも無いしリズが良いなら良いのだが・・・早すぎる・・・」

お父様はなんだかしょんぼりしていた。


沢山の方に見て頂き嬉しいです。

ありがとうございます。

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