誕生日パーティーへの誘い
帰りの馬車の中ではマーサのお説教がいつも以上に繰り広げられた。
結局木登り作戦は失敗どころかレイを楽しませてしまったようだ。
マーサはカンカンだし踏んだり蹴ったりだが、婚約解消は諦めきれない。未来を知ってしまっているから。
それでも最近レイに絆されている気がする。顔も声もそもそも好みだし、レイは優しい。何でもない話も嬉しそうに聞いてくれる。
お茶会が少しずつ待ち遠しいものに感じ始めていた。
お茶会を繰り返すうちに季節は秋になっていた。
今日も私の隣にレイは座る。
ケーキを食べさせて貰いながら最近あった他愛ない事を話してひと段落ついた時レイが話を切り出した。
「リズに話があるんだ」
「どうしたの?」
「今度私の誕生日パーティーが内々に開かれる。それに出席して欲しいんだ」
「誕生日パーティー?」
「そう。まだ6歳だから大々的には行わないけどね。王族に関わりのある者が参加するパーティーで陛下もお越しになるものだからリズも欠席は出来ないんだ」
「決定なの?」
そう問い掛けるとレイは少し困った顔をして頷いた。
「そうなんだ。嫌だった?」
そんな風に聞かれると私も困ってしまう。
「嫌じゃないけど緊張するな・・・」
少し俯いて答えるとレイが私の手を握って来た。
「大丈夫。私がずっと傍にいるからね」
それだけで少し安心する。
「わかったわ。私出席するわ」
「良かった」
レイが微笑んで私も笑顔になる。
王族に関わりのある人達だけのパーティーに私も出席して良いのか不安はあるが決定事項なら仕方ない。
流石に陛下の前で変な行動は出来ないので真面目に出席するつもりだ。




