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虚崇世界  作者: 塵埃
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ページ2「あまた」

何もない暗闇で『わたしたち』は生まれた

自分が何なのか、どうしてココにいるのかもわからずただ泣くことしかできなかった

そんな時、優しい声で大丈夫独りじゃないよって手を握ってくれた

彼は『しなば』と名乗った

わたしたちが落ち着いたら『しなば』は怖い顔をしていた

「だいじょうぶ?」

『しなば』は両手で自分の頬を叩いて

「ありがとう大丈夫よ。

 他にも誰かいるかもしれないから、探しに行きましょう」

とても優しくて低い声で言った


「ところで貴方、なんのモノだったの?

 あっ、ワタシは鋏だったのよ」

「モノ…わからない」

「あら、そうなの?

 それは不憫ね…」

「フビン?」

「そうよぉ。

 ナニモノはわからないのって怖いじゃない?」

「こわい?」

「モノっていうのはね。

 何かを成し遂げるのを手伝うために生まれたのがほとんどなのよ?

 だから、何も分からないって事はとても怖いことなの…。

 それに、ワタシ達は誰かの強い願いや想いで生まれたのよ?

 その想いに報いようとするのは当然じゃない」

「だれかの、ねがいやおもい…。

 わたしたちもなにかするためにうまれたのかな?」

「きっとそうよ。

 貴方とても素敵だもの」

「ほんと? ありがとう」

「きっといつかわかる日が来るわ」

「…うん」

「これから思い出していきましょう。

 どれほど時間があるかはわからないけれど…。

 貴方のやりたい事が見つかるまでの時間はあるでしょう」

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