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ダークエルフと暮らす異世界間違い転生  作者: 三沢 七生


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23.解体

途中で魔物を解体する表現があります。

分かりやすくしているので、苦手な方はささーっとスクロールして飛ばしちゃって下さい。

物語とは殆ど関係ないです。

結局自分がアイスクリームを食べたいだけだったベルヴィアが「検証のためだ」と言って聞かなくなったので、イツキはコンビニで買ったちょっと贅沢なカップのバニラアイスを三つと、キャンプ用品として過去に買ったことがある木製のスプーンを三つ召喚した。


喜んだのはベルヴィアだけではなく、ララミーティアもだ。

この手のアイスクリーム的な物は見た事が無かったようで、目を輝かせて「これは何?」とイツキに質問していた。


「冷たくて美味しい!甘くて美味しい!」

「でしょでしょ!食べたかったらいつでも言いなさいね!」


なぜか得意気なベルヴィアに少しだけムッとするイツキだったが、口にバニラアイスを付けたままだったので、そんな気もすっかり失せてしまった。


幸い容器も蓋も紙製の製品だったので、最後はイツキのファイアボールで焼却処分をしておいた。

スプーンについてはララミーティアが欲しいと言っていたので、洗浄魔法で綺麗にしてプレゼントする事にした。

木製で精巧な作りなのが大変気に入ったようだった。


「じゃあ私の小屋の横に作業場があるから、そこでウルフの解体をやってみましょう。」

「やろうやろう!やっと始められるね。」


2人はイツキの小屋からは死角になっているララミーティアの小屋の隣まで移動する。

ベルヴィアは報告があるからとララミーティアの小屋のテラスに敷いてある毛皮の上に座ってウィンドウ画面を何か操作している。


髪を後ろで一つに結んだララミーティアがアイテムボックスからウルフを二体出して地面にどさりと置く。


イツキが触ってみるとウルフはまだ少し暖かかった。






ーーーーー解体の描写があります。苦手な方は下部の空白まで飛ばして下さいーーーーー






「まず、私達はアイテムボックスと魔法があるから、死んでいるウルフでも美味しく食べられるように処理出来るわ。魔法が殆ど使えないような種族が血抜きをする時は、ウルフが生きてないと出来ないの。」

「ふむふむ、何となく聞いたことあるかな。」

「一応軽く説明するとね、気絶させたウルフの後ろ足に紐を巻き付けて、この木で組んだ吊し台に逆さ吊りにして、首元の太い血管にナイフか何かで小さく刺し傷を必要最小限につけるの。そうすると血抜きが出来るわ。刺し傷を小さくする理由は、肉が痛まない為にって聞いたわ。」

「なる程なあ。」


ララミーティアが手でジェスチャーをしながら淡々とイツキに説明する。

多分この方法は地球でやっている方法だろう。


確かに死んでいる個体は血が流れていないからその分血抜きが難しく、あまり食肉にはしないはずだと、イツキの薄っぺらい知識でも記憶している。


「私達の方法は吊さないで首元の太い血管に刺し傷を作るの。」

「へえ!」


そう言ってララミーティアは躊躇わずに首元の頸動脈に矢で小さい傷をつける。

イツキもララミーティアから借りたナイフで同じ様に傷を付ける。


「ここからは洗浄魔法の応用。今つけた傷口に指を当てて、イメージをするの。これは食料、食料を綺麗に洗浄するって。まず私がやってみるわね。」


そういうとララミーティアは先程の刺し傷に指を押し当て、目を閉じて洗浄魔法を唱えたようだった。

イツキは見た目でははっきりと変化は分からなかったが、見た目が萎んで見えるような、血色が悪いような、なんとなくそんな気はした。


「おお、すごい!」

「次はイツキもやってみて。」

「よし分かった。」


イツキも先ほど作った刺し傷に指を押し当ててイメージを頭の中に張り巡らせてみる。


(これは食料だから、血は洗浄で除去。あくまでこれは食料。食料。)


すると洗浄魔法が発動し、はっきりと血が抜けて行く感覚が理解出来た。

これは凄く便利だぞと感動するイツキ。


「ふふ、さすがね。これで血抜きは完了。魔法があると呆気ないでしょ?魔力が高い者の特権ね。」

「凄いな、血が抜けてく感覚がよく分かったよ。」


ララミーティアがイツキに微笑みかける。

やはりララミーティアは甘い雰囲気もいいが、こういう凛々しいというか、格好いい姿がよく似合うと改めて感嘆するイツキだった。


「次は体表の洗浄ね。これも魔法が殆ど使えないような種族がやるときとは全然やり方が違うわ。そういう人達がやるときは、大きい袋に死体を入れて川まで運ぶの。それで川でゴシゴシ体表を洗い流すの。同然運ぶうちに傷だらけよ。」

「はは、物によっちゃ重いからなあ。」


ララミーティアがウルフをゴシゴシこするジェスチャーをしてみせる。


「私達はまた洗浄魔法で楽をするわ。今度は毛皮を綺麗にするってイメージで洗浄魔法をかけるの。これは簡単だから一瞬にやってみましょう。」


そう言って2人は洗浄魔法を体表に向けて発動する。

するとくすんでいた体表はまるでトリミングでもしたかのように艶やかなものに変わっていた。


「綺麗だねー、フカフカだ。」

「ふふ、とりあえずこれで体表は綺麗に出来たわ。次は内臓を取るわ。これは魔法の有無に関係なく刃物で肛門の辺りから首元まで内臓を傷つけないように慎重に開けるの。やってみるわね。」


そういうとララミーティアはイツキからナイフを受け取って、躊躇わずにすーっと体を切り開いていった。

その手つきは非常に鮮やかで、最初から切り込みがあったかのように見事にぱっかりと開いた。


「さ、イツキもやってみて。」

「お、おう!」


そういうとナイフを手渡された。

イツキはふとカエルの解剖を思い出した。


(それか、あんな感じだな)


と心の中で決意を固め、ララミーティアがやったように浅くすーっとナイフを入れて行く。


「こんな…感じかな…?」


ナイフを入れ終わってふーっと息を吐くと、思ったよりも綺麗に切れていたようだった。


「上手ね、初めてにしてはよく出来てるわ。次は内臓を取り出すんだけれど、くれぐれも傷つけずに取り出すのがポイントね。正直洗浄魔法を最後にかければいいだけなんだけれど、場所によっては破れて中身が飛び出るとすごく臭いの。だから、取り出す時はこうやって紐で中身が漏れないように切り口を縛ってから取り出すのがいいわ。」


取り出した内臓はララミーティアがアイテムボックスから出した木箱に入れて再びアイテムボックスにしまった。




ーーーーーーーーーー




ウルフの体内からピンポン球大の赤い宝石のようなものが出てきたが、それが魔核だララミーティアが言って水魔法で綺麗に洗ってから改めて手渡して見せてくれた。


「人族や獣人系の種族なんかは簡単な生活魔法が込められた魔核を使っているらしいの。これは魔法が苦手な種族は重宝しているようね。私達には全然必要のないものだから、余裕があるときに魔核に不足した分だけ魔力を足してあげて、簡単な生活魔法を込めておくの。ある程度溜まったら全部行商人に渡してしまうわ。私も魔力の心配はなくなったから、寝る前にでも魔法を込めておこうかしら。」

「俺も手伝うよ。ところでこれって加工してアクセサリーとかにはしないのかな?宝石みたいでキラキラしてるけど。」


イツキが太陽に魔核を透かしながらララミーティアに訪ねる。 


「そういう用途でも使われてるみたい。予め魔法が込められている魔核を加工してアクセサリーに埋め込んでいるみたい。身に付けていて身体に毒ってわけでもないから。」

「へぇ、どんな魔法を込めるんだろうね?まさか火や水は出ないでしょ?」


イツキの質問にララミーティアが軽く笑いながら答える。


「アクセサリーにそんな魔法が入ってたら大変ね。聞いた話では、身体強化だとか、洗浄だとか、後はストーンウォールとかアイスウォールとかの防御系の魔法が好まれるみたい。まぁ、凄く小さく削って加工している時点でそんな何度も発動出来る程の魔力は込められないと思うけど。」

「ああ、そうか。削るとそれだけ内包できる魔力が減るんだ。」

「そうね。元々魔物の魔力の源だから、質もそうだけど大きさも関係してくるの。街で普通に暮らしていれば、そこまで強力な魔核じゃなくても別に問題ないみたいだけど、どうしてわざわざ小さくしちゃうのかしら。前に見せて貰ったことがあるけれど、本当に小さくなってたわ。」


ララミーティアが手元で魔核の大きさを表しながら説明をする。

イツキはなるほどなと関心するように腕を組んでふんふん説明を聞く。


「まぁ、本気で防具にするってよりは、パフォーマンス的な意味合いが強いんじゃないかな?何かしら身を守るような効果を付与した物を送って『あなたの事をこれだけ想ってます~』って。そっちの方が貰った方も悪い気はしないでしょ。『愛されてるんだぁワタシ』って。大きすぎると指輪とかネックレスにし辛いだろうしさ。」

「なるほどね…。折角なら削らないで持ち歩けば効率がいいのにって不思議に思っていたんだけど、納得したわ。」


ララミーティアは苦笑いを浮かべていた。

解体なんて適当にボカせばいいかなとは思ったのですが、ララミーティアが森の中で逞しく生きてきた描写がしたかったので、削除せずに載せてみました。

面白かったという方はブックマークや☆を頂けますと幸いです。

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