第5回「悪役令嬢が可愛すぎるので全力でいぢめられようと思います」
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第5回「悪役令嬢が可愛すぎるので全力でいぢめられようと思います」結果発表
1位 ROUSHIさん 5票
私が前世の記憶を思い出し、乙女ゲームの世界に転生していると気がついたのは5歳のときである。
「ハムコ! 何ぼけっとしてるの! ほんとノロマね!」
と、記憶を取り戻したばかりの私に話しかけてきたのはレイン=クァクーヤちゃん。
彼女はいわゆる悪役令嬢と呼ばれるキャラクターで、これから数年後、私と彼女はとある理由により対立して悲劇的結末を――そんなことよりめっちゃカワイイ!!!
前世の私isロリコン、レインちゃんisストライク、決めた、私はレインちゃんと仲良くして悲劇なんてない結末を迎えます!
2位 バグさん 4票
ヴィクトリア公爵令嬢が変心したのは春も盛り、クロウタドリの囀りに心浮き立つ日和のことだった。
「いつもご苦労様」
用事を済ませた下女に掛けた言葉だったが、これが大いに議論を呼んだ。
傲慢が服を着て歩いているような令嬢だったために、驚天動地、凶兆であると誰もが……侍女の1人などは粛正の前触れであるとして、顔面蒼白で身辺整理をしていた……恐れた。
それは令嬢の捌け口、頭から紅茶をかけられる係、丁度いい高さにある張り手人形台、戦略的人道的スケープゴート3号(1号と2号は耐えかねて退職したらしい)と揶揄される私にしても同じだった。
3位 インファさん 3票
「あなたみたいなかわいい子、殿下が好きになってしまいますから、わたくしの殿下に近づかないでくださいませっ!近づいたらコチョコチョの刑ですよ!」
本人は凄んでいるのだろうが、涙目でそんなこと言われても可愛いだけ。後ろで婚約者の可愛さに口を抑えて震えている王子に気づいて!
……こんなにかわいいなら毎日会い(ルビ:いぢめられ)に来るしかないよね?
同率3位 髭虎さん 3票
まるで時間が止まってしまったかのようだった。
「あら、ごめんなさいね? あまりにも汚かったものだから私ゴブリンかと思って突き飛ばしちゃったわぁ」
透き通るような金髪、こちらを見下す碧い瞳……そして本来は制服のスカートに守られているはずの長くて綺麗な脚。
「……クマさんだ」
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