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勇者は転職して魔王になりました  作者: nauji
第一章 王都改革編
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SS番外 スライム達のとある日の冒険 【修正】

22/08/04 全体修正

 魔王様が言ってた。


 お宿から、お引越しするらしい。


 今日は、そのお引越し先へ行くみたい。


 ずっとずっとずぅーっと造ってた。


 やっとできたんだって。


 一緒に見に行くかって聞かれたから、もちろん付いて行く。


 お宿では、自由に移動できない。


 お部屋で過ごすばっかり。


 ツマンナイ。


 けど、今度住む場所は、中も外も自由に移動していいって。


 何とも魅力的。


 これはもう、冒険するしかないよね。






 おっきい!


 お宿よりもおっきい!


 かつてない、冒険の予感!


 思わずプルプルしてしまう。



「門の外に出てはいけませんよ。約束できますか?」


『ワカッタ!』


『ソト、デレナイ!?』


『マヨイソウ?』


「大丈夫。呼んでくれれば必ず見付けます。置き去りになんてしませんから、安心して楽しんでください」



 魔王様、優しい。


 嬉しくなったので、みんなで貼り付く。



「いいんですか? 冒険する時間が減っちゃいますよ?」



 それは困っちゃうね!


 急いで剥がれて、冒険に向かう。



「あ、それと、住みたい部屋を決めておいてくださいねー!」



 お部屋かぁ。


 魔王様と一緒じゃ駄目なのかな?


 うーん。


 ううーん。


 魔王様のお部屋はキープで。


 まずは庭を冒険しようかな。


 と思ったけど、ワンコが駆け回っている。


 最近、ボールのように跳ね飛ばしてくるしなぁ。


 近づくと、またもてあそばれるのがオチだ。


 外はワンコに譲って、中を冒険しよう。






 開けられてたドアを潜り、中に入る。


 ワォ!


 とっても広い。


 前にはおっきな階段。


 横には長い廊下とお部屋が並んでる。


 これば冒険のしがいがあるね!


 思わずポヨポヨしてしまう。


 さてと、どこに向かおうかな。



『ウエ!』


『ミギ!?』


『ヒダリ?』



 意見が割れた。


 分散してもいいけど、よく知らない場所で単独行動は危険だね。


 ここは魔王様のお家。


 つまりは魔王城!


 どんな仕掛けがあるか分からない。


 協議の結果、一階から制圧することに決まった。


 まずは左から攻める。


 一番奥までダッシュ。


 魔物用のお部屋は、ドアの代わりに布が垂れ下がっている。


 手が無くても入れるようにって、魔王様と眼鏡の人が考えてくれた。


 ありがたし。


 お部屋の中はどうなってるかな?


 では、いざ参る!






「あらん? スライムちゃんたちじゃない? どうしたの?」


『!』


『!?』


『?』



 オッサンが現れた!


 いや、お馬さんか!


 いやいや、どっちもだ!



「お生憎様。この部屋はアタシのスウィートルームよん。入れるのはアタシとダーリンの、ふ・た・り・だ・け」


『『『ピギャー』』』



 言葉は分からない。


 それでも悪寒を覚え、脱兎の如く逃げ出した。


 流石は魔王城。


 既に凶悪な魔物が住み付いていた。


 廊下を挟んだ、向かい側の部屋も覗いてみる。


 家具は何も無い。


 良くも悪くもない。


 魔窟の周辺に住むのは避けるべきだね。


 一階の左側は、最初の魔窟以外はどれも同じ内装だった。


 特に住みたい感じはしない。


 続いて、右側へ向かう。






 よりも先に、地下への階段を見つけた。


 丁度、二階への階段の裏側だ。


 ワクワクが止まらない。


 思わずブルブルしてしまう。


 予定を変更し、地下へと向かう。


 ひんやりしてる。


 後、薄暗い。


 下は土じゃなくて、石みたい。


 えっと、魔王様が地下は倉庫代わりにするって言ってたかも。


 ピョコピョコ移動してみる。


 壁に幾つも出っ張りがある。


 ドアの無いお部屋みたい。


 何となく、洞窟っぽい雰囲気がある。


 イイね!


 暖かい場所より、ひんやり涼しい場所のほうが好み。


 でも、寝るならベッドがいいかも。


 石だと硬いや。


 あと、どうせなら、もっと入り組んでたほうが好きかな。


 洞窟やダンジョンとか、とてもいい。


 好感触だった地下を後にし、一階へと戻る。






 次に目指すは一階右側。


 お部屋は左側と変わり映えしない。


 と、思ったけど違った。


 おっきなお部屋があった。


 広ぉ~い。


 ちっちゃいお部屋、何個分かな。


 奥に何かある。


 こっちはちっちゃいお部屋。


 お宿で見た厨房かな。


 おっきいほうは食堂っぽい。


 ここで、果物とか貰えるかも。


 毎日果物生活。


 至福。


 思わずピョンピョンしてしまう。






 一階右側の奥の場所には、お風呂場があった。


 お宿よりも広いかも。


 お湯は入ってない。


 プカプカはできないや。


 ザンネン。


 お風呂場の隣に、もう一つお部屋があった。


 でも、こっちにはドアがあって入れない。


 ムネン。


 諦めて、二階へ行ってみよう。






 ショック!


 二階のお部屋は、全てドア付きだった。


 入れない。


 ションボリ。


 思わずデロデロしてしまう。


 偶然にも、そばにあった廊下のドアが開いた。


 中から眼鏡の人が出て来る。


 すぐさま発見された。



「あら? お散歩でしょうか? えっと、会話用の絵は……」



 やっぱり言葉は分からない。


 しかし、これは好機!


 魔王様に頼らず、解決してみせる。


 手近なドアに体当たりして、目的を伝えてみる。



「突然、どうされました?」



 首を傾げる眼鏡の人。


 次いで、周囲の状況を観察している。



「成程。ドアが邪魔なのですね」



 何かを察したのか、向かい側の部屋のドアを開けてくれた。


 のみならず、次々と部屋のドアを開けてくれる。


 おぉ、素晴らしい。


 行動から、目的を察してくれた。


 お礼に足元の周りを跳ね回ってみた。



「どうやら、合っていたようですね。絵のコミュニケーションもさることながら、やはり、それ以外でも分かり合えないと不便ですからね」



 ひとしきり、感謝を伝え終わった後、お部屋へ突撃する。


 一階や地下とは異なり、既にいくつかの家具が設置されていた。


 ベッド!


 ジャンプ一発、飛び乗る。


 そして跳ねる。


 フカフカだ。


 寝床にも、高さは要らないけど、この柔らかい物は欲しい。


 魔王様にお願いしておこう。


 他のお部屋も見て回ることにする。


 大体は最初のお部屋と同じだった。


 違ったのは、本が沢山あるお部屋と、他より豪華なお部屋の二つ。


 豪華な部屋は、きっと魔王様のお部屋に違いない。


 大本命!


 一緒に寝よう。






 二階は見終わったので、一階へと戻る。


 すると、魔王様が待ってた。



「もう一通り見て回りましたかね? 二階の部屋って入れましたかね」


『ミオワッタ!』


『オヘヤ、イッパイ!?』


『モノ、スクナメ?』


「まだ、家具を揃えていませんからね。それで、どこか良さそうな部屋は見つかりましたか?」


『『『チカ』』』


「地下ですか。であれば、階段以外にも、スロープを設けておくべきでしたかね」


『『『ダンジョン』』』


「はい? ダンジョン? 地下がですか?」


『『『ベッド』』』


「???」


『フカフカ、ホシイ!』


『ベッド、イラナイ!?』


『ヤワラカ、スヤスヤ?』


「ええっと……地下の部屋に布団かクッションが欲しい感じですかね」



 やっぱり、魔王様だと話が早い。


 いずれは、ダンジョンも造ってもらおう。



「もう少し宿屋暮らしですけどね。後一週間程で、こちらに引っ越しですよ」


『タノシミ!』


『ワクワク!?』


『ドキドキ?』


「喜んでもらえたようで何よりです。さて、ブラックドッグはどこでしょうか」


『オソト!』


『ハシッテタ!?』


『ワンワン?』


「成程、庭ですか。戸締りは受付嬢さん──いえ、秘書さんにお願いするとして、そろそろ帰りましょうか」


「──待ってぇ~、ダーリーン! アタシを置いて行かないでぇ~!」


「うわっ!? セントレアですか!? 居たんですね」


『『『ピギャー』』』



 再び襲来するオッサン馬。


 魔王様の背に隠れながら、もうすぐ住むことになるこの場所に思いをせる。


 お宿よりも色々な場所に行けるし、一層楽しそうだ。


 早くお引越ししたい。


 待ち遠しいなぁ。


 思わずプニプニしてしまう。






そうして、一週間後。

念願叶った引っ越しの日。

だがその日の夜、王子が魔物たちと共に、王都へと襲来したのだった。



この話をもちまして、第一章は完結となります。


心優しい読者様の中には、連れ去られた魔物達の身を案じていらっしゃる方もおられるかもしれません。

しかし、ご安心下さい。

鬱展開は想定しておりません。

再登場には、しばらく時間を要するかと思われますが、もしかしたら第二章の途中でSSで登場させるかもです。

何か、このキャラのSSが読みたい、というご要望が御座いましたら、感想かなにかでご一報頂ければ、前向きに善処する所存です。

本編の連載に余裕があれば、ですが。

それでは、また次回。


【次回予告】

さぁ、遂に第二章開幕です!

きっと章のタイトルでモロバレでしょう!

でも大丈夫!

きっと大丈夫!

未来の自分が何とかしてくれてる筈!


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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お読みいただき有難うございます!

『勇者に挑むは無職の少年』 本作の続編も完結!

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