表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者は転職して魔王になりました  作者: nauji
第一章 王都改革編
42/364

41 元勇者の魔王、Bランク昇級試験⑤ 【修正】

スキル名は【】、使用した能力や魔法は≪≫で記載しております。


22/07/10 全体を若干修正

 まずは、この厄介な攻撃を阻止する必要がある。



鏡界ミラーワールド



 光の上級魔法。


 ゴーレムを包み込むように、半球状の鏡面の壁が出現する。


 指先から放たれる光線が鏡面内で乱反射し、内部が赤い光に満たされてゆく。


 光線に何度も晒されながらも、ゴーレムにダメージは見受けられない。


 この結果は織り込み済み。


 本命はコレだ。



風化ウェザリング



 闇の初級魔法。


 文字どおり風化させるこれならば、石を土に変えられるはず。


 未だ鏡界に包まれているゴーレムの表面。


 それが僅かに崩れ始めていた。


 狙い違わず、闇属性への耐性は無いらしい。


 効果は覿面(てきめん)だと言わんばかりに、徐々にその身を崩し始めるゴーレム。


 指先から放たれていた光線が止む。


 これで後は、自爆を警戒するだけだろうか。


 鏡界は物理的な衝撃に脆いため、自爆には耐えられない。


 新たに光壁を出す必要がある。


 せめて光線を出してきそうな手と目が土になってから発動しようかと、そう算段を立てる。


 ゴーレムの体が一気に崩れ去り、鏡界の中を土煙が充満する。


 ――自爆しない?


 濛々(もうもう)と土煙が立ち込める中、新たな動きはない。


 油断せずその様子を注視しつつ、壁まで後退して距離を取ることにした。






 パリーン。


 ガラスの割れるような音が部屋中に響いた。


 鏡界が割れ、内部から何かが飛び出す。


 その何かは、着地と同時に凄まじい速度でこちらに接近した。


 警戒していた上で、反応しきれない。


 腹に拳がめり込む。



「ぐぅ……っ!」



 ――新たな敵!?


 突然現れた敵影と生じた痛み。


 次の瞬間には、眼前から姿を消していた。


 ダメージが通っていることから、相手の攻撃力はこちらの防御力を上回っていることが分かる。


 痛みに顔をしかめつつも、状況を把握しようと努める。


 鏡界が破壊されたことで、内部に押し留められていた土煙が、室内へと解き放たれており、視界を奪っている。


 敵もその中に隠れたようだ。


 一体アレは何だったのか。


 人型で、大きさは俺と同じか、少し小さいぐらいだろうか。


 全身が鏡面のような光沢を誇る金属製に見えた。


 ――新たなゴーレムなのか?


 立ちこめる土煙により、視認性の悪い室内に敵の姿は捕捉できない。


 聴覚も相手の物音を聞き取ることが叶わずにいる。


 鏡界の内部から現れて見せたことから、予め鏡界内部に居たことは間違いない。


 だが、事前にそれらしき姿は見てなどいない。


 だとすれば、先程のゴーレムの内部に入っていたとでも言うのか。


 敵が新手のゴーレムならば、先程は防御特化だったのに対し、今度はスピード特化といったところか。






 ようやく土煙が晴れ始めた。


 敵影は……下!?


 床を這うようにして姿を現した銀色の敵。


 壁を背にしていたため、半身を開きながら、横へ移動することで辛うじて攻撃を避ける。



「がはっ!?」



 直後、背後から衝撃が加えられた。


 ――敵がもう一体!?


 痛みを堪えながら、反射的に背後を振り返る。


 するとそこには、銀色の敵の姿があった。


 ――この短時間で背後まで移動した!?


 先程の敵の姿を探して正面に向き直ったが、そこに敵の姿は無かった。


 ――いくら何でも速過ぎる!


 床からアッパーを放った次の瞬間に背後から一撃を加える?


 いやいや、流石に動線がおかしいだろう。


 床から上側へと攻撃を放ち、上から下側への追撃を放つ、というなら分かる。


 だが、まるで瞬間移動でもしたかの如く、位置を移動してみせるなんて、あまりにも不自然だ。


 これは恐らく――。


 既に背後からも敵は居なくなっていた。


 恐らく、敵は2体以上居るのだろう。


 全く同じ姿形をしているのだ。


 それらが時間差攻撃を仕掛けて来ているに違いない。


 とはいえ、個々のスピードが尋常ではない。


 複数体に囲まれ攻撃を連続で食らうのは、流石に厳しい。






 土煙が完全に晴れ、室内が見渡せるようになった。


 部屋の丁度反対側に、銀色の敵が居た。


 1体だけだ。


 他の個体を探そうとするよりも早く、その1体がこちらに向かってきた。


 一瞬で彼我の距離を零にしてくる。



光鎧メイル



 光の中級魔法。


 全身を薄い膜のような光が包み込む。


 一時的にだが、防御力を二倍にできるので、防御力はカンストの状態だ。


 敵が貫き手を放ってきたが、それを正面から耐えてみせる。


 すると、相手が分裂した。


 いや、2体が重なっていたのだ。


 背後から現れたもう1体が、跳び上がりながらこちらに蹴りを見舞う。


 片腕を上げてそれを防ぐ。


 また距離を開けられると不味い。


 ここで仕留める。



腐食クロージョン



 闇の初級魔法。


 金属を腐食させる霧を発生させる。


 体が金属で構成されているなら、効果は覿面(てきめん)のはず。


 だが、相手は素早くその場から離脱してみせた。


 一応相手に当たっていたはずだが、如何せん時間が短過ぎた。


 再び距離を取った2体。


 共に目に見えるほどの影響はない。


 先にスピードをどうにかしないと、効果らしい効果を与えることが難しい。


 全身を覆っていた光が消失した。


 魔法の効果時間切れだ。


 ……そういえば、こいつらは光線を使用してこないな。


 これだけのスピードを有しているのだから、光線は逆に不要なのだろうか?


 理由はよく分からないが、敵の手数が少ないならば、こちらにとってはむしろありがたい。


 視界の先で動きがあった。


 銀色の敵が交差するように位置を入れ替えながら、こちらに迫ってくる。


 足止めの方法を思い付く前に来たか!


 迎え撃つように俺も駆け出す。



腐食クロージョン



 闇の初級魔法。


 すかさず魔法を放つ。


 だが、2体は素早くその場を跳び退く。


 そうして、俺を中心に左右に挟み込む形で位置取った。


 こちらの魔法を警戒されている。


 これでは、そのまま当てるのは困難だが、それならば陽動に使えばよい。


 まずは1体を確実に仕留める。






 左側へ魔法を放つ。



腐食クロージョン



 闇の初級魔法。


 左の1体を牽制しておき、右側のもう1体へと全力で接近する。


 両手を左右に突き出し、魔法を放つ。



腐食クロージョン



 闇の初級魔法。


 左右へ霧を生じさせ、移動を阻害する。


 逃げ道は上下か前方後方の4つ。


 既に背後からもう1体が迫る気配を感じつつ、眼前の1体の挙動に集中する。


 ――何処へ動く?


 敵は動きで答えてみせた。


 正面からの攻撃。


 対する俺は、左右の手から魔法を放ち続けながら、そのまま腕を正面側へと動かす。


 左右から迫る腐食の魔法に、相手はその場から跳び上がり、俺の頭上を越えて背後へと移動した。


 ――ここまでは想定内。


 背後まで寸前という距離のもう1体に対し、魔法を解除せず、両手を正面へと突き出したまま、足を滑らせるようにして、仰向けに倒れ込む。


 目標を一瞬見失った敵の姿が視界に入る。


 次いで、腐食の魔法の只中にその身が晒された。



「――――――!!」



 途端、金切り声のような凄まじい音が部屋に響き渡った。


 至近距離からの余りの大音量に、思わず意識が遠のく。


 予想に違わず、見る間にその身が溶けてゆく敵。


 できれば完全に仕留めきりたいが、この場にはもう1体残っている。


 固執せず、素早くその場から横へと転がり起き、もう1体の所在を探す。


 見渡した部屋の中に、その姿は無い。


 ――頭上から殺気!?


 危機感に逆らわず、再度転がることで、迫りくる攻撃を回避する。


 すぐ隣に着地する銀色の敵。


 刹那、視線が交差する。


 ――逃がすな!


 考えるよりも先に手を伸ばし、相手の顔面を鷲掴みにする。



腐食クロージョン



 闇の初級魔法。


 一瞬の間も置かず、魔法を発動した。



「――――――!!」



 再び部屋中に響き渡る金切り声。


 その音に顔をしかめながらも、決して相手の顔面から手は離さない。


 見る間にその体を液体状へと溶かしていく。


 いつでも離脱できるよう準備をしながら、相手の様子を注視し続ける。


 途端、半ばまで溶けた相手の体が発光し始めた。


 ――やっぱり、自爆できるのか!


 反射的に手を離し、素早く部屋の角へと移動し魔法を発動させる。



光壁ウォール



 光の中級魔法。


 巨大蜘蛛モドキのときと同様に、光の壁を展開して衝撃に備える。


 視界には、先に倒した個体も同様に発光している姿を捉えていた。


 しかも、そいつはまだ動けたらしく、ジワリジワリとこちらへ這いずってくる。


 完全に接近されるよりも早く、凄まじい爆発が発生した。






ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただき有難うございます!

『勇者に挑むは無職の少年』 本作の続編も完結!

気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです

小説家になろう 勝手にランキング

ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ