始まり2
ささやかながらにぎやかな名パーティーが終わりお迎え、少女が後片づけんを行う食器のカチャカチャとした小さな音が夜の闇に響いているころ、騒がしくも楽しい喧騒から逃れるように老人はこっそりと抜け出して家の庭先のベンチに腰かけていた。
そこは庭にあるならの巨木の隙間から漏れ出でる月の光が差し込み幻想的な情景を醸し出し老人のお気に入りの場所である。
「400歳か・・」
誰に語るでもなく老人の口から言葉が漏れる。
それと同時に過去の思い出が浮かびあがってくる。
「年を取ったのかな??」
そんな自身の感傷に思わず苦笑いが漏れる。
「どうぞ」
ベンチの横に設置してあるテーブルにカチャリとテーカップが置かれる。
目を向けるとそれは夜の冷え込みの中緩やかに湯気をたてている同時にかぐわしいコーヒーの香りが鼻腔を刺激する。しばしその香りを楽しんだ後
コーヒーを運んできた少女に目を移してお礼を言う。
「ありがとう。ユリカ」
「どういたしまして、ご主人様」」
そこには先ほどまで食器を片付けていた橙色の瞳を輝かせながらこぼれる笑顔を向けて微笑んで藍色の髪を揺らして老人のベンチに腰を下ろしながら老人の動作を横目でチラチラと確認する。。
「うまい」
少女の運んできたコーヒーを口にして素直な感想が老人の口からこぼれる。
「お粗末様です」
老人の感想に素直に微笑み、嬉しそうに答える。
そんな腰を下ろした少女を横目にコーヒー一口口を付けてからユリカに問いかける。
「ユリカは家にきてもうどれくらいになるかな?」
「そうですね~」
ユリカは老人の質問にたいして自分の記憶を思い出しながら答える。
「200年くらいですかね?」
自身な下げに眉毛をㇵの字にして疑問形で返す。
質問を質問で返すにはどうかとは思うものの確かに厳密には難しいかと思い直して老人の昔の事を思いまして考えてみる事にした。
未だ自分のきた時を考えているユリカを見ながら彼女が初めて来た時のことを思い出してみる。
たしかに今の様に話せるようになったのはここ100年位だが厳密に最初からとなると150年・・・いや200年それくらいかな?ユリカの答えと老人の記憶うがだいたい一致し納得がいったので頷きながら彼女の疑問に応える。
「そうだな、最初の最初ならそれくらいかな」
「はい!」
自分の答えが間違っていなかった事に嬉しそうに返事を返す。
そんなユリカを微笑みながら老人は返す。
「最初はコーヒーも全くうまくいれられなかったのに!」
「もーーー!」
老人の言葉に頬を膨らまして抗議全開ですと態度に表して叫ぶ!
ちょっとしたイタズラのつもりがどうやら彼女の機嫌を損ねてしまったとチョット顔をしかめながらユリカの機嫌を取るために話を逸らす。
「ほらユリカ月か見えてきたよ!」
老人のあからさまの話のそらし方にちょっと不満があったユリカだがここで拗ねていても仕方ないので話をそらされることにした、でも心のメモにはしっかりと400歳誕生日での件としっかりメモリ後日埋め合わせを要求しようと固くしかっておく。
「ほんとですね」
「綺麗」
月を見上げて嬉しそうにしているユリカをみて先ほどまで私怒っているんですの態度から一変した様子を確認してホット一息つきながら嬉しそうにしているユリカの様子をとならの巨木から顔を出した満月を見ながら、少し冷めてきたコーヒーに再度口お付ける。
「ベンチで一人、何してたんですか?」
ひとしきり月を見上げた後老人が夜更けに一人庭のベンチに腰かけていた事を問いかける。ユリカとしてはパーティーからいなくなって探し当てたら夜風に当たって一人空を見上げて物思いにふけっている老人に声をかけようとしたが何となく近寄りがたく、苦肉の策でのコーヒーだったのだがおもわぬ高評価に声をかけた目的を忘れていたのをふと思い出しての問いかけであった。
「昔を思い出してたんだよ」
「昔ですか?」
老人のかみしめるような声に思わずオウム返しに答えたて反射的に問いかける。
「どんな事ですか?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
ユリカは老人重苦しい沈黙から聞いてはいけなかったのかと自身の好奇心をからの失敗に気が付いたが言った言葉は返ってこない。
ユリカは何とか話題を変えようと話かけようとしたとき老人から声が返ってくる。
「300年前の話だよ」
その声は悲痛に満ちているようではなくどこか懐かしむような声色であった。
老人は続けざまに語り掛ける。
「少し老人の昔話をきいてくれるかな?」
老人は今までの重苦しいなど気にせずユリカに語り掛ける。
「はい!」
ユリカは満面の笑みで老人に返事を返し。
「少し長くなるよ」
嬉しそうなユリカに目を細め名がら老人は300年前の昔話を話し始めた。