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悪魔の王は愉快に嗤う。

まだまだ未熟ですがよろしくお願いいたします。

「クハッ、クハハハハハハハハハ!!」


悪魔は嗤いながら天使を1歩も動かず圧倒する。天使の相手は悪魔の王。四大天使や熾天使ならまだ勝ち目はあるが、一般天使が神と同等の力を有する悪魔の王をどうこう出来るはずがない。


「まずいですねぇ、天界に応援要請を出さなきゃいけ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


悪魔は天使の腹を素手で貫き雑に手を抜く。腹を貫かれ天使は地面でのたうち回る。


「ふむ、ではマスターよ。この天使はどうする?」


「ま、ますたー?」


唐突にマスターと呼ばれた少女、小南悠雨は困惑する。


「俺とお前は契約したのだ。大抵の決定権はお前にある。」


そうだ、私は呼んだ。呼んでしまった。セレスタ=ディン=エレフェードと言う名前を。神を批判し続けろ。神を呪う事を対価に。圧倒的な力、セレスタ=ディン=エレフェードと言う悪魔の王を手に入れる為に。結局、私もやっぱり力を望んだ醜い存在だ。


「殺してって言ったら?」


「概念そのものを消してやろう。」


「殺さないでって言ったら?」


「このまま放置だな。」


私の質問に悪魔は淡々と答える。

すると、天使が私に向かって悲痛な声で助けを求める。


「あなたぁ、神はあなたを助けてくれます。悪魔と契約した事も許して私達と同じ天使になれますよぉ。今なら間にあいます。さぁ、私の手をとってくださぃ。」


「本当にあなたの手を取ったら天使になれるの?」


「約束しますぅ!」


天使は痛みで歪んだその顔を笑顔に変え手を差し出してくる。

それをセレスタは笑いを堪えながら見ている。あぁ、私は元から歪んでたんだ。


「そう、分かった。じゃあセレスタ。」


「あぁ、貴様の言いたい事は分かっておる。」


そのやり取りを見て天使は勝ち誇る。


「幾ら悪魔の王と言えども人間1人味方に付けれないとはつくづく悪魔は「この天使を殺して。」…えっ?」


その声を最後に天使は消えた。否、消された。


「クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」


まさか契約して間も無いのにこの様な事をしてくれるとは、嬉しい誤算だ。この小娘、存外俺を楽しませてくれそうだな。


「ねぇ、セレスタ。」


「ふむ、なんだ?」


「私ね、幾らか頭のネジが飛んでると思うの、今だって人間の形をした生命体が死んだのに恐怖所か少し、楽しんじゃった。」


私は今、あの天使が消されたのを見て愉悦を感じた。悲鳴をあげた時だって思わず笑いそうになったし、私は人としてダメなのかな?


「頭のネジが飛んでいる?悪魔と契約した時点でそんな物は無いだろう。俺とマスターは今は一心同体。俺が悪魔なのだ。貴様が人であり続ける必要性などは欠片もありはしない。寧ろ落ちて堕落して神を呪って、俺ら悪魔になるか?」


私はこの質問を何て答えたかは覚えてない。もしかしたら答えなかったかもしれないがその時のセレスタの意外そうな顔は覚えてる。


「とりあえずもう大分暗いから家に帰りたいんだけど。」


虐められて、悪魔と出会って、天使に襲われ、悪魔と契約する。

一般的とは言い難いけど普通の生活を送っていた私からしたら刺激的すぎる日だ。家に帰ってゆっくりしたいと言うのが本音だ。

だけど、建前なんてセレスタに通じはしない。


「ふむ、疲れたのなら仕方がない。堕落して怠惰を貪れ。マスターの家はどこだ?転移する。」


「転移なんてできるの!?」


私だってそういう物には憧れるお年頃だ。空間転移なんて体験してみたいと思うのは普通だもん。絶対。


「クハッ、まだ人間らしい部分が残ってるな。」


言われてみれば、そうかもね。と言うかさっさと転移してよ、疲れたの、お風呂入りたいのぉ!


「コイツっ!急に図々しくなりやがって、はぁ、仕方ない、ほれ転移と。」


軽々しく言った『転移』という言葉と同時に私は漆黒なのに光って言う矛盾した物に包まれて、次の瞬間には私の家にいた。


「何か、思ってたよりも転移ってあっさりしてるんだね。」


少しガッカリしながら言うと、


「点と点を結ぶ移動法だ。時間がかかるなんて意味は無くなるでしょうに。」


小馬鹿にした態度で説明してくる。それよりセレスタってころころ口調変わりすぎじゃない?


「そんな事は気にするでない。所で飯ってどうする?」


ほら、やっぱりすぐ口調が変わってる。もっと統一してよ、面倒臭いから。


「…………適当に俺が作っていいか?」


「華麗に無視するの…。適当に作るって言っても作れるの?人間が食べれるまともな食べ物を。」


だってセレスタって悪魔じゃん?人間が食べれる物作れるか不安じゃん?


「安心しろ、ファミレス程度の腕なら持ってる。」


うん、そこは高級レストランとか言って欲しかったな。


「言うだけで良いなら幾らでも言ってやろう。」


やっぱり結構です。早く作って来やがれ下さい。


「お前、随分と馴れ馴れしくなったな。まぁ良い。麻婆豆腐食べたい。」


いやセレスタって人間の食べ物食べれたんだ。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「ご飯も食べてお風呂にも入った事だしそろそろセレスタの事詳しく聞いていい?」


私は悪魔の王であるセレスタと契約したはいいものの天使やら悪魔やらについて全くと言っていいほど知識がない。だから、セレスタに教えてもらおうと思ったんだけど、


「えっ、クソほど面倒臭いんだけど。」


この悪魔、動きやしない。私ってマスターなんだよね!?何で言う事聞かないの?


「俺は悪魔の王だぞ?契約したとは言え悪魔の最高峰がそうホイホイ言う事聞いてたら悪魔の威厳が無くなるわ。」


そう言えばセレスタって悪魔の王だったね。そんな片鱗1度も見たこと無かったから知識はあるのかなぁとか思ったけど、これじゃあ無さそうだねー。はぁ、悪魔の王ってしょぼいなぁ。


そう心の中でセレスタに言ったのだが、私は気づいたら床に押し倒され首を掴まれていた。


「あまり調子に乗るな人間。俺と貴様は契約関係なだけで友好関係を築く訳では無い。履き違えるな。貴様が何と言おうが俺は悪魔の王だ。人間1人、残虐の限りを尽くし、犯し尽くすことだって容易だ。」


セレスタはそう言うと脅しなのか本気なのか分からない目で、私の服を1枚1枚剥ぎ取る。


「言っただろ、七つの大罪全てが悪魔にはあると、『色欲』意味は分かるだろ?」


そんな中でも今回は何故か私に恐怖の感情は芽生え無かった。


「ねぇセレスタ?14歳を犯そうとするなんて、ロリコン?」


「ちゃうわ!チッ、調子狂うな。何でこの状況でそんな言葉が出てくるんだよ。」


「ほら、私は悪魔の王と契約して人間だよ?一般的な人と比べちゃいけないもん!」


私はセレスタと契約した時からどんどん頭のネジが飛んでる感覚がある。それでも別にいい。もう、躊躇いなんて持っちゃいけないもん。悪魔と契約したのならそれらしく生きよう。

私に仇なす者はセレスタに消して貰う。私が欲しい物はセレスタにとってもらう。セレスタの力を自分の力の様に振り回す。


「クハッ、その考え良いねぇ。俺好みだ。ふぅ、まぁその考えに敬意を評して教えてやろう。一般人が知りえない世界の事を。」


「まず初めにこの世界は天使、悪魔、神が存在する。」


嫌、そんな事は分かってるんだよ。もっと先だよもっと先。


「一瞬にして殴りたくなったが置いておこう。天使は神の使い、神が作り上げたのが熾天使だ。一般天使は信者が天使に昇華した者。悪魔は余程の例外を覗いて全て純血だ。」


その余程の例外って何なの?


「悪魔の王である俺や地獄の公爵や七代悪魔、七つの大罪の1つ1つを司る悪魔達が己の血を分け与えた場合のみだ。」


七つの大罪ってルシファーとかレヴィアタンとか?


「まぁ、一般的な名前で言ったらそうだな。」


じゃあ今の天使と悪魔はどうなってるの?


「天使は信者を増やす為の洗脳までして宗教勧誘、悪魔は気に入った人間に契約とって傍について天使どもから契約者を守るって所だ。」


へぇ〜、て事はこれから私は天使に狙われるの?


「何当たり前のこと言ってんだ?バカか?まぁ、狙われるとしても悪魔最強が守るんだから万に一つも死にはしない。」


「そっか、じゃあ明日学校だから私寝るね。」


明日も学校があるし今はもう深夜の2時だし。一応これでも優等生だから遅刻なんて出来ない。


「あそこに行く必要はあるのか?虐められてるんだろ?行かなきゃ良いじゃねぇか。逃げる事は悪くねぇぞ?」


にやにやしながらセレスタは私に言ってくるが、


「だって、私が怪我とかしそうになったらそいつ殺すんでしょ?」


当たり前のことを言うように、私は言い放った。1日前までは普通の感性を持っていたとは思えない発言だ。

そして、それを聞いたセレスタは


「クハッ!クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!良いなぁ!すっかりマスターはこっち側じゃねぇかよ!あぁ、そうだな。俺のマスターを傷つけるなら俺が殺す。当たり前だ。」


「うん、それじゃあ期待してる。おやすみ。」


私はそう言って部屋に戻る。布団について今日の事を思い出す。色々あったなぁ。これからも続くんだろうなぁとか思いながら。

だが、小南悠雨は気づいていない。天使が死んだ時の事を思い出し、その口元が三日月の様に歪んでた事を。








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