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◇The blue bird of happiness is.. 幸せの青い鳥は・・  作者: 設樂理沙


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99/111

幸せの青い鳥は・・99

99.

 " The present time-現在 10 "


~ 都眞子、結婚後 10 ~




 幸せで満ち足りた新婚生活。


 何の気負いも持たなくていい、そしていつもふわっと私を大事に

包み込んでくれる夫。


 ふたりスプーン型になって寝るんだ、時々。

 もちろん私の背中に彼の(かいな)と胸板を感じながらね。


 独りの時間も、ふたりで何かを楽しむ時間も、いつも私は土筆くんの

存在を感じて・・温もりを感じて・・幸せ。


 すごいのが、土筆くんだって平日は働いていて疲れているだろうに

平日の買い物も、休日の買い物もお願いすると一緒に行ってくれることだ。


 生活に慣れてくると彼の提案で、なるべくお互いの負担を減らすために

1人で行って問題のない時は、休日の買い物は交代で行くようにしようと

いうことになった。


 あみだクジとか、ジャンケンで決めるから続けて楽できることも

ある。


 けど大体、買い物に行かなくていい方がその間に何かしら、例えば

掃除機をかけるとか、洗濯機をまわすだとか、してるんだけどね。


 この話を職場の既婚者に話すとすっごく羨ましがられちゃうのだ。

それで最近、土筆をクレー、クレーっ攻撃されてる。


 長山さん、うちの旦那と交換してよ、なんてことも言われたり。

 いつも丁寧にお断りしてる。


 喪女だった私がこんなに素晴らしい伴侶に出会うなんて・・

私、こんなに幸せ過ぎていいの?なんて思うくらい。


 土筆くんは何ていい人なんだろう!

 土筆くん、私の旦那様になってくれてありがと。


・・・


99-2.



 順風満帆に送っていた結婚生活が10か月過ぎた頃のこと。


 「とまこ、俺好きな女性(ひと)がいるンだ」


 はいぃ~、今あなた何て言いました?


 え~と、今日は何の日だつけ?

 私を驚かそうと冗談言うなんて、土筆くんったらぁ。


 「え~っ、なぁに言っちゃってンの、もう

冗談はよし子さん」


 玄関から続く長い廊下を背に立ち私と対峙している

土筆くんの方を見て、私はそう言った。


 顔を見ると土筆くんが悲しそうな目をしていて私は驚いた。


 その顔を見ながら、嘘っ、嘘でしょ? と心の中で呟く私の視界の中に

彼の肩越しにもうひとつの光景が映し出されていた。


 結婚後、間もなく買って来て玄関にある出窓に飾っていた

濃い色めのピンクのシクラメン。


  その時、私は幸せの象徴だったシクラメンが・・

    違うものに変わってゆく恐怖に襲われたのだった。



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