幸せの青い鳥は・・97
97.
" The present time-現在 8 "
~ 都眞子、結婚後 8 ~
ヤダっ、私ったら。
いくら思いもかけない言葉を投げつけられたからといって
親しくもない、しかも、お義兄さんの同僚などに今まで両親にだって
秘密にしてきた胸のうちをあっさりと話してしまうなんて。
都眞子のばかっ!
私はすごく落ち込んだ。
私とお義兄さんが付き合いを止めてたことも知らなかったようで
義兄から知らされてなかったくらいだから、そういう程度の付き合い
だと思いたい。
今更なことなのだから彼は義兄に、私がずっと持っていた義兄に対する
気持ち、話したりしないよね?
知られたくなかった。
気持ち的に追い詰められたからと言って話していいことじゃなかった。
今、私が一番好きなのは夫の土筆 眞なのだし。
なんか、夫を裏切ったような気になり嫌な気分だった。
はぁ~、駄目だな私って。
若林さんと偶然再会して、義兄との交際を止めたことについて強く
問い詰められ落ち込んだものの、土筆くんとの生活は穏やかで充実していた。
義兄との結婚を止めたことで、大には相当泣かれてしまったし
嫌われてしまって凹んだ。
よほど私と義兄との結婚を楽しみにしていたのだろうことが伺えた。
お母さんになってほしいとまで言っていた大が、まだまだ小さな子供だと
思っていたのに、私と距離を置くようになってしまい
私は本当に驚いたし悲しかった。
97-2.
自分の気持ちを押し通した結果、酷く大を悲しませ失望させて
しまったのだ。
両親には今までのように甘えてくるが、私には対しては自分の父親とでは
なく、自分の知らない誰かと結婚してしまった親戚のおばさんっていう扱いに
なっていた。
土筆くんと結婚したって、大の成長はなるべく側で関わって見守って
いこうと思っていただけに、大の静かな拒絶は、とても堪えた。
約束を反故にしたのは、自分だ。
義兄を切ると言う行為は、大をも、もろとも切るということになって
しまった。
私は己が認識の甘さを痛感させられた。
大は許してくれるだろうと何処かで高を括っていたのだ。
大の父親である義兄と結婚しなくても
今まで通りずっとお母さん代わりに変わりはないと示したかった。
けれど大はそのチャンスさえ私にくれなかった。
そんな様子を見ていた母に、大のことは私とお父さんとで見守るから
しばらくあなたは土筆くんとの土台作りに専念しなさいと言われる始末。
結果的に私が義兄を切り捨て、私は大に切り捨てられたのだった。
人生とはなんとままならないものなのか!
大いなる誤算の連続のような自分の人生。
夫との新生活だけが私の救いだった。




