幸せの青い鳥は・・96
96.
" The present time-現在 7 "
~ 都眞子、結婚後 7 ~
「この話には実は隠された真実があるのだよ、若林くん」
「ゲッ! 」
「俺、とまちゃんにべた惚れだった。
もちろん最初は気が進まない位に・・
申しわけない位に・・
とまちやんに興味持ってなかったっていうのはほんとう」
「ゲゲッ!! 」
「俺たちさぁ、結婚前からその何て言うか、夫婦の真似事してたんだ」
「夜のほうか? 」
「あぁ、恥ずかしながらとまちゃん抱くうちに身体も心も両方に
魅了されてた。
だから、結婚のこと断られて頭の中、真っ白になった。
特に夜になると一肌恋しくてな」
「そっか。
何かこう、すれ違いから終わった恋って感じだな、お前たちの
話を聞いてるとさ」
「そうかもしれん。
俺がずっととまちゃんのことを異性として見てなかったってことは
彼女自身分ってただろうし、付き合い出してからも俺は彼女に好きだと
はっきり言葉に出して言ったことなかったし。
俺、甘えてたんだと思う。
義両親から勧めてきた話だったから、どこか上からっていう気持ち
あったのかもしれないわ。
口ではこんな四十寡となんて言いながら、心の奥底では
ちっともそんな風に思ってなかったのかもな。
96-2.
とまちゃんが何気に自分のことを好いているのもその頃には
気づいていたしさ。
己惚れてたのかもなぁ~。
振られてからそんなふうにいろいろ考えさせられたよ。
こういうの総括って言うのかな。
まっ、今更だな。彼女が言った通り彼女が好きな人は実在して
結婚しちまったわけだし」
「そうだな・・」
「とまちゃんは俺と付き合うようになった頃からドンドン奇麗に
なっていったンだよなぁ~、目を見張るくらいにね。
そりゃあ、他の男が放っておかないわな。
俺だってどんどんとまちゃんのこと好きになって・・だから、大切に
していたつもりだったんだけど、そりだけじゃ足りなかったってことだよ」
「そうだな・・」
「なんだよ、お前。
さっきからそうだなそうだなって。
もっと俺を慰めろよ」
「おし、今度飲みに行こう、もとい、歌いに行こうぜ。
安倍 、お前は良い男で色男だ、今にもっといい女と出会えるさつ」
「あぁ、分ってる」
「「はははっ♪ アホラシっ」」
・・・
俺は考えた。
とまちゃんが俺との結婚を止めた理由・・
両親の提案から始まった関係だったことと、好きな相手の出現と
どちらの比重が大きかったのだろうかと詮無いことを思った。




