幸せの青い鳥は・・94
94.
" The present time-現在 5 "
~ 都眞子、結婚後 5 ~
彼女の理由付けのある強い釈明の弁に押されたことと、自分が発した
失礼な物言いもあって、自然に謝罪してしまったが、はて・・よくよく
考えてみると安倍を振ったところまでは理解できるが、一年もしないうちに
結婚している変わり身の早さは一体どういうことだ!
そんな風な女性には見えないが、昨今の若い女は掴みどころがないように
感じていた俺には、健気な風を装ってああ言いながらその実、途中で若くて
将来有望な独身者に言い寄られて心変わりしたのかもしれないよなぁ~、と
いう考えも捨てきれなかった。
あんなの後から無理やり取り繕った言い訳かもしれん。
だってそうだろ?
ずっと好きだったンだろ? 安倍のこと。
最初のとっかかりがどうであれ、結婚前提で交際を申し込まれOKして
付き合ってたんだろ?
惚れられてのプロポーズじゃないって?
何でそんな物事小難しく考えるかね?
女心と秋の空はなんとやら、だ。
さてと、腹を立てたものの、案外安倍のほうは彼女が拘っていたことが
本当で、だから俺に愚痴のひとつも言ってこなかったのかもなぁ。
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まぁ、少し悔しいのは息子の母親を逃したってくらいで、本人は
元々彼女に対して熱烈な想いを持っていたわけでもなかったみたいだから
チッ、振りやがってのひと言くらいのもんで、もうケロっとしてるのかもな。
職場でも落ち込んだ素振りはなかったしな。
一週間に1~2度は社食で会うと、同じ席に座ることがある安倍と
都眞子さんに会った翌日に同じ時間に社食で食事を摂ることになり
俺は正直に彼女に会ったことを話した。
・・・
「正直、驚いたよ!」
「そうだよな、俺とまちゃんとのこと一度相談に乗ってもらったきり
お前に話してなかったから。
あれからさ、順調に付き合いが進んでる中で突然結婚を止めたいって
言われてね、何がなにやらだ」
「理由は?」
「あぁ理由な、すごいぞ。
こう言われた」
「どうぞ、どうぞぉ~聞いてるぞっ」
「好きな人が出来た、だった」
「えらいまた、直球を投げて来たんだな」
「あぁ」
「お前には本当の理由を話さなかったンだ、彼女」




