幸せの青い鳥は・・93
93.
" The present time-現在 4 "
~ 都眞子、結婚後 4 ~
「そんな・・コト..」
「若林さん! 捨てたなんて、私が義兄を捨てたなんて・・そんなこと
言わないでください。
この話は両親にも話したことありませんけど、私はもうずっと前から
義兄のことを好いていました。
姉の存命中は憧れの人でした。
亡くなった後はずっと片思いしてました。
だから、そんな私が自ら好んで義兄との別れを選ぶはずありません。
私だって辛かったんです。
結婚しようって言ってくれているのだからと
それで良しとはできませんでした」
「知らなかったとはいえ、すみません。
酷い言い方をしてしまいました。
遅ればせながら、ご結婚おめでとうございます。
ほんとに不躾なことを言ってすみませんでした。
では、これで失礼します」
若林さんはそう言い残して私の側を足早に離れて行った。
少し離れた場所で時間潰しをしていた夫が私の側に
戻って来た。
「だいじょうぶ? 」
そう言って私の涙を指でそっと拭ってくれた。
夫は私に何も尋ねてこなかった。
すでに決めかけていた家具をもう一度ふたりで座ったり
テーブルの上下する調整を確認したりして、私たちはそのテーブルと
ソファベッドをorderし、その店を出たのだった。
お義兄さんはずっと私たちのことを若林さんに何も話して
なかったンだ・・。
若林さん、私とのこと知らなかったものね。
義兄の同僚に会ったことで、私はこれまで努めて考えないようにしてきた
義兄のことをフトどうしているだろうかと思った。
あの時、義兄は私の申し出をあっさりと受け入れた。
私の存在意義は・・
義兄にとって私の存在なんてそれだけのものだったのだから、私の
あの時の選択は間違ってなかったと思う・・と、そう思いたかった。




