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◇The blue bird of happiness is.. 幸せの青い鳥は・・  作者: 設樂理沙


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9/111

幸せの青い鳥は・・9

9.

" Memories 回顧録9 "


 幸せ全開のカップルの片割れが病気であっけなく

亡くなってしまった。


 姉の病気が判った時にはすでに手遅れで、診断されてから3か月足らずで

姉は私たちの手の届かない世界へと旅立っていってしまった。


 愛しの夫と息子を残して。

 大が3才を目前にしていた時のことだった。


 今は下着や寝間着など病院でレンタルという形で借りられ為

病人の下着や寝間着等々衣服の洗濯に追われることもない。


 それでも母は、体力の持つ限り病院に日参して姉の側に付いていた。


 命の限られている病人と家族との間に残された僅かな時間・・

両親と義兄との話し合いで姉は個室に入った。


 仕事もある私は、会社が休みの日に両親と一緒に見舞った。


 大抵義兄と大も来ていたので、私は1時間も居ればその後は

退散した。


 正直に言うと、仲良くもなかった姉とは間が持たなかったからだ。


仲の良い姉妹であったならば、語りつくせぬこともたくさんあっただろうに

と思う。


 残された時間は限られていて、私なんかと過ごすよりも大や義兄と

過ごしたほうが姉だって幸せだったはず。



 姉にとって私の存在などあってもなくてもという、どうでもよいもの

だったから。


 薄情かもしれないけれど、後悔は無い。

 


9-2.



 葬式の日は私たちの悲しみを表すかのようにシトシトと雨が

薄暗い雲で覆われた空から降っていた。

 義兄はとても悲しそうで私は見ていられなかった。

 母親の姿を探す大も可哀想で・・。


 悲し気な大は、義兄の胸にしがみ付いていた。

 葬式の翌日からしばらくの間、大は私や私の両親と一緒にひとつの部屋で

 寝た。


 寝る前には大の気持ちが沈みこまないようにと配慮し、毎晩トランプや

カードゲームで気持ちを盛り上げ、最後は私か母が読む絵本を聞きながら

大は眠りについた。


 義兄は大もいない独りの部屋で、一層悲しみに暮れていたかもしれない。

 だけど、義兄をなぐさめられる人間はいないのだから、しようがなかった。


 大を私たちみんなで育てた、それはそれは慈しんで。

 日中は母が見て、仕事から帰ると私と父が。


 そして年齢的にも重責のともなう仕事を任され毎日のように

帰宅の遅い義兄が迎えに来て、親子ふたりが自分たちの住む家へと

帰って行く。


 車で10分、自転車で15~6分という何とも中途半端な距離。


9-3.


 義兄が時間的、肉体的に迎えに来られない日などは

大抵残業をせず早めに私が帰宅、そして大を義兄宅に連れて帰り

義兄の家でお風呂に入れたり遊ばせたりしながら私と大とで

義兄の帰りを待った。


 私の代わりに父親が車を出すこともあったし、母親が自転車で

連れて行ったりしたこともあった。


 ほんとにみんなで協力し合い、大の子育てをまわしていった。


 ただ母親の体力的なもの、そして大が私を母親のように慕っていくように

なったことで、いつしか子育ての見守りのメインは私になっていった。


 大は、都眞ちゃんは僕のかあさんだよ、ね?

なんてよく言うようになってて。


 うれしいんだけど、何か微妙?・・みたいな感覚が私にはあった。


 こんなに懐いてくれる甥がいて、それでその父親も息子と同じぐらい

私に懐き私を好いてくれたら問題はなかったのだが。

 

 けれど現実はそう上手くはいかない。



 少し時が流れ、かなり悶々とするようになった頃、両親からさもありなんと

思うような話をされたのだった。


 はっ? もしかして私の気持ちバレてたのか? まさかねっ!



 

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