幸せの青い鳥は・・89
89.
"Time travel タイムスリップ 38"
~ 都眞子のこと30~
自問自答してみる。
分らない、けど、好きになっていった気持ちは本当だ。
どんどん好きになっていった。
その気持ちの入り口が身体だったことに少し抵抗がないわけではなかった
けれど、こればっかりは・・恋愛に関してはしようがないじゃないか
と弁明するもうひとりの自分がいた。
物分かりの良い態でとまちゃんの気持ちを汲んだものの
あんなにあっさりと身を引いて良かったのか? という疑問が俺の中で
ムクムクと育っていった。
もうすでに身体の関係だってあった仲なのだ。
もう少し粘るべきだったのではないか? という後悔の念が沸々とその夜
湧いてきて、俺はなかなか眠りにつけなかった。
一生の問題なのにあっさり引きすぎだろっ。
変に大人ぶる必要などなかったはずだ、そんな風な考えが過り。
とまちゃんや、お義父さんに物分かりの良い顔をした分、今更その顔を
脱ぎ捨てて、粘るのは少々恥ずかしいことではあるが、けれど自分の一生を
左右する、大の一生をも左右する大事なことなのだ、とまちゃんが
大を送って来てくれたら、自分とのことをもう一度考え直してみてくれ
ないだろうかと、そう自分の正直な想いを伝えよう、と思った。
89-2.
そう決意したことで俺の胸の内にある心が少し安心したのか
いつの間にか眠りについていたようだった。
・・・
けれど、ついぞその後、とまちゃんが俺に顔を見せることはなかった。
天は俺に味方してくれなかったのだ。
流石にノコノコ出向いて行く気力は出てこなかった。
こんなことなら、付き合わなければよかったよな、と思うように
なっていった。
春が過ぎゆき、梅雨を過ごし、夏がやってきた頃、とまちゃんの結婚話を
お義父さんから聞かされた。
俺は絶望した。
そっか、好きな人がいるって本当にほんとだったんだな。
この時になって、本当に自分はとまちゃんを失ってしまったことを
痛感した。
美保子を亡くした時も辛かったけれど、とまちゃんを失った喪失感も
半端ないものだった。
40男で寡男、終わったなっ!




