幸せの青い鳥は・・88
88.
"Time travel タイムスリップ 37"
~ 都眞子のこと29~
長山さんと結婚前提の・・本気の・・交際が順調に進み
結婚が間近になると何故か、彼女がずっと好きだった人、義兄の
安倍 義仁さんという人のことを俺はちらりと考えるようになっていった。
彼女が一番肝心なところを・・
彼女たちの別れの原因を・・
ぼかして話してくれなかったからだと思う。
杞憂ならばいいが、もしかすると彼女はまだあの人(義兄)を
好きなのかもしれない、とそんなふうなことをちらっと思ったりするのだ。
おそらくは・・彼女自身が彼女こそが、気づいていない感情かもしれない
から、そこはつついてはいけないのだろう。
俺の本能がそう告げる。
もしかすると、、いやよそう、彼女は俺の妻になるのだから。
過去になっていく人(彼女の義兄の安倍 義仁)のことをいつまでも
俺も彼女も引きずっていてはだめだ。
・・・
88-2.
物分かりの良い振りで、好きな男性ができたからと言う
とまちゃんの申し出に異議を唱えずすんなりと応えた自分。
お義父さんから謝罪を受けた時も物分かりの良い自分を
演じた。
けれど、本当の自分は到底、物分かりの良い態ではいられなかった。
義両親から提案される前の・・
とまちやんと付き合い、抱き合う前の自分なら・・
彼女を心から好きになる前の自分でいられたら・・
物分かりの良い態は、自然に演じられただろう。
とまちゃんに結婚を反故にされた後、自分でも想像駄にしてなかった
自分の中に潜んでいた激しい衝動・・みたいなものに気づき、驚いた。
とまちゃんの姉である美保子との恋愛時代を彷彿とさせる恋情が
この身に宿っていたことを改めて知らしめられたのだった。
お義父さんから謝罪を受けた日、俺はなかなか寝付けなかった。
好きな人ができた、ととまちゃんは言った。
とまちゃんと付き合うようになって、俺なりにとまちゃんを大切に
してきたつもりだった。
ほんとか?




