幸せの青い鳥は・・87
87.
"Time travel タイムスリップ 36"
~ 都眞子のこと28~
大くんの話をしている時の長山さんはもっすごい幸せそうなんだ。
最初はあんなに誰かから一途に思われるなんてなんか羨ましいぞ
って思ったね。
それから、自分も誰かからあんな風に思われてみたいもんだ、と
思うようになり・・。
誰か?
そして、その誰かが長山さんだったらって思うようになっていった。
大くんの存在を知って、自分の気持ちにはっきりと気付けた
っていうのもあるのだが・・実はかなり前からずっと長山さんの
ことは気になる存在になっていたのだろうと思う。
こっそり、ひっそりって感じ。
ンで気が付いたら7年ちょっと経ってんじゃん。
違う、7年なんたらは入社してからの年数だわ。
いやまぁ、すごく気になり出してからだと、この1~2年って
ことだけどさ。
彼女から聞いた話や入社時の様子を鑑みてみると
大くんのことがなかった頃からやっぱり社内の異性との交流には
消極的な人だったことが伺えた。
とにかく、彼女見た目地味だし、仕事以外で周りと積極的に交流を
持たないので、雲った目しか付いてない同年代の男たちからまず
動くことはなかった。
仮にアプローチ掛けたとしても誰も大くんに勝てなかったろうな。
87-2.
だがぁ、天は俺に味方したようだ。
イベント係という細い細い線で繋がってきたことが功を奏したのか
そして俺に華という妹がいたことが長山さんとの繋がりを太いものへと
変えてくれて、なんと信じられないことに結婚することになった。
大くんに勝ったわけではないが、待てば海路の日和あり?っていう
言い方も半分しか当たってないようにも思うけど、何せ7年も待ち続けて
いたっていうんでもないしさ、年齢的にもちょうど俺たちふたりに
とって良かったんだろうなぁ。
だけど、もしずっと長山さんの想い人だったお義兄さんって人が
長山さんにもっと積極的だったら、俺は選ばれてなかったんだよなぁ~
と思うと、何やら感慨深いやっ。
長山さんがあんなに周りの男どもに淡白だったのも
今なら頷けるよなぁ。
好きな人がいたからだ。
しかし、折角好きな人と付き合っていたのにどうして別れてしまった
のだろう?
元々のふたりの馴れ初めを作ったのがご両親だったってことに
彼女はすごく拘ってたけれど。
どうもお義兄さんとは直接デリケートな部分については話し合って
なかったみたいで。
彼女の話振りからすると、彼女のほうから別れを切り出したみたい
だが。
俺は彼女が拘るほど、お義兄さんがプレッシャーだけで彼女との
結婚を決めたとも思えないんだよなぁ~。
だって俺が惚れた相手だよ?
絶対お義兄さんも長山さんのこと好きだったんじゃないかと
思うんだよなぁ~。
だけど、俺がこれを彼女に伝えるのは違うと思う。
思うだろ?
誰にともなく、呟いた。




