幸せの青い鳥は・・86
86.
"Time travel タイムスリップ 35"
~ 都眞子のこと27~
そして、意図的なのか? 天然なのか地味な装いで固めた彼女に
積極的に声をかけるヤツ(男子社員)もいなかった。
だからいつも就業後、社外(独身者たちの集い)に出ると彼女は
独りだった。
だけどそういうのは彼女にとっては当たり前なことで、卑屈に感じて
いる風でもなく、気にしてないようだった。
俺は最初の2~3回で、参加することに何の意義も見出さなかったけれど
妙に長山のことが気になって、実は彼女が参加する時だけ参加してたんだ。
バレてないよな? 周りに・・って気がついた人間がいたとして
誰も気にかけやしないだろうよ、と自分に自分で突っ込んだものだった。
職場での合コン祭り的なものも、それぞれカップルができたり
破局したりと、悲喜こもごもありぃ~のしつつ月日は流れ
お祭り行事もフェードアウトしていく中・・
グループで帰りに寄る店で独りの長山を見ることもほとんどなくなり
それから数年後、駅までの道すがら急ぎ足で駅に向かう彼女を
ちょくちょく見かけるようになった。
そしてその頃を境に彼女は会社での合コン祭り的なものには
一切参加しなくなった。
86-2.
俺もどちらかというと合コンのようなノリは元々苦手だし
気になっていた女性が不参加で、ほぼほぼその後は
参加しなかった。
長山さんは家庭の事情ってヤツで仕事を終えた後も忙しい。
同じ係になって話すうちに俺も知ったんだけど甥っ子の大くんの
子守があって忙しらしかった。
この話を聞いて、俺はなるほどと今までの彼女の帰りの急ぎ足
に合点がいった。
話しぶりから、大くんのことで忙しいのは苦じゃないらしい・・
っていうか、至福のひとときのようだ。
異性は異性でも年頃の男たちには見向きもせずに、ちっちゃな男の子
に夢中ってわけ。
いつしか、気がつくと俺は大くんのことを羨ましいと思うように
なっていた。
あんなに恋焦がれられて、くっそぉ~って感じだな。




