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◇The blue bird of happiness is.. 幸せの青い鳥は・・  作者: 設樂理沙


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82/111

幸せの青い鳥は・・82

82.

"Time travel タイムスリップ 31"


            ~ 都眞子のこと24~



「妹がさ、華が引退表明出してる某歌手のコンサートの

チケットを手にいれてたんだけど、仕事の都合で行けなく

なっちゃって俺に売りつけてきたんだよ」


 ・・っていうのは、半分ほんとで半分嘘だった。


 皆が喉から手が出る程欲しいチケットだからわざわざ俺に

売りつけなくたって、オークションにでも出せば定価なら絶対

っていうかプレミア価格で即売り捌けるような代物で

実は妹の出張とチケットの話を聞いてぜひともと言って譲って

もらったものだった。 テヘッ

 

・・・


 土筆くんにコンサートに誘われた。

 私はライブは初めての経験だったんだけど、なかなか楽しかった。


 コンサートで立ったまま一緒に歌を口ずさんだりペンライトを

振ったりと声を出しぃ~の、激しく動いたりぃ~のでかなりストレス

発散できた。


 ひとときとはいえ、悲しいことを忘れて居られて少し心が

軽くなるのを感じる。


 コンサート会場からの帰り道、風がそよそよと私の顔をなでて

いくのも心地よい。


 この一瞬本当に嫌なことを忘れられて幸せだった私は

気がつくと土筆くんに話しかけていた。


82-2.


 

 「今日は楽しかったぁ~。

 応援疲れが少しあるけど何かスカっとしたいい気分。

 華さんにお礼言いたいくらい」


 そういう私にまた風がそよっと吹いて心地よさ満点でいると

土筆くんが言った。


 「また、来よう! そして楽しい想い出をたくさん作ろう。

 ね、次は妹から貰ったチケットでコンサート行くようなものじゃなく

ちゃんとしたデートに誘いたいんだけど、いいかな? 」


 私ったら・・・気が付くと・・


 「いいともっ~」と返していた。


 土屋君が眩しいほどの笑顔でくったくなく笑った。

 だから私もまぶしそうに眼を少し細めて笑った。


 何と言うタイミングの良さ。

 土筆くんはすごい人だ。

 私が抱えている悩みを一日で吹っ飛ばした。


 コンサートの帰り道、ちゃんとお義兄さんとはお別れできた

ことを土筆くんに話した。


 「そっか、大変だったね」としみじみとした声音で言ってくれた。


 そう言われて何気に彼の方を向いて顔を見たら、微笑んでいるのだけれど

目はちっとも笑ってなくて、何となく彼の胸中にある私に対する

本気度みたいなものを感じとることができた。

 


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