幸せの青い鳥は・・80
80.
"Time travel タイムスリップ 29"
~ 都眞子のこと22~
「どうしよう、あなた」
「家の中で話してた俺たちの話を聞いていたのかもしれないな」
「ってことは、私のせいね、きっと。
私は義仁さんが積極的じゃないことを知りながら、ううん、知ってた
からこそ2人を早い段階で深い関係になるよう取り計らったの。
都眞子のことを想えばこそなんだけど、私は考えてみると
ダブルスタンダードなことをしてたわ。
そんなことをしておきながら義仁さんの気持ちが積極的ではなかったことに苛立ちを覚えて都眞子が聞いてはいけないようなことをあなたに話したり
して。
ふたりの仲を壊してしまったのは私ね、とんでもないことを
してしまったわ。
2人に謝っても謝り切れないことを・・どうしたらいいのかしら」
「今更だからね、どうこうしようもないさ。
口出ししてこのざまなんだから、何も言わず見守るしかないだろうよ。
一番泣きたいのは都眞子だよ。
義仁くんだって当初はどうであれ仲良く付き合っていた都眞子に
突然袖にされて、さぞかし戸惑ってるだろうし、落ち込んでるかも
しれないからね。
それにことによると彼もこの縁談が壊れてほっとしている可能性もある。
もう2人のことはそっとしておくほかあるまい」
・・
その後、義兄とのことについて両親からは何も言われなくなった。
私もこれ以上、話しても不毛なような気がして、話さなかった。
80-2.
都眞子があんなだから、大を送るのは私か妻になった。
翌日大を送って行き、私は義仁くんに都眞子のことを謝罪して帰った。
「お義父さん、ありがとうございます」
以前と同じように義仁くんから大を送った礼の言葉を言われた。
「義仁くん、都眞子のことすまないね・・この通り」
私は頭を垂れ謝罪した。
「お義父さん、頭を上げてください。
子持ちの四十男と一時でも結婚を考えていただいて有難いと
思ってるんですから、大丈夫です。
とまちゃんはまだ若いし、年頃になってどんどん奇麗になって
他に独身で若い青年から声がかかっても不思議じゃないです」
「えっ? それは、どういう・・コトダイ? 」
「他に好きな人ができたからって振られましたハハハ」
そうか、義人くんには流石に本当の理由は言えなかったとみえる。
まっ、やさしい? いや、やさしくはないかっ・・嘘をついて断りを
入れたんだな。
「勝手なことを・・我がままなヤツだけど許してくださいよ」
「もう気にしてませんから、お義父さんも今まで通りでお願いします」
「いやぁ、すまないね」
別段好いてもいない娘を推され、悩んだ末に決心してプロポーズまで
した挙句、振られるなんて、、そんな目にもし自分の息子があわされたと
したら、親としては言うにいわれぬ気持ちだろうなぁ。
私は胸の中で義仁くんとその親御さんに手を合わせたのだった。
許してください、と。




