幸せの青い鳥は・・77
77.
"Time travel タイムスリップ 26"
~ 都眞子のこと19~
「えと...どういうことかな? 」
流石に何の前振りもなく、結婚白紙撤回されるなどとは
夢にも考えてなかった俺は、そりゃあもう、しどろもどろに
そう聞くのが精一杯だった。
「すみません、気持ちが変わってしまいました。
お義兄さんとの結婚を考えられなくなってしまって・・
ほんとにごめんなさい」
夢じゃないようだ。
俺は結婚を断られているのだ。
前回ここに来た時には、微塵もそんな雰囲気はなく、それどころか
いつものように楽し気に帰って行ったというのに。
しかし、だ・・何をどう思おうと彼女の気持ちが今俺との未来は
考えられないと言うなら、引くしかないじゃないか。
「もし、よければその心変わりとやらを教えてもらえないだろうか」
「他に好きな男性ができたんです」
77-2.
「そっか、判った。
それなら、そういうことならしようがないね。
とまちゃんと縁がなくて残念だけど、これからも大のいいおばさんで
いてやってくれないだろうか」
そういうお義兄さんは本当に残念そうな様子に見えたので
私は酷く、心が痛んだ。
だけど、私にも譲れないものがある。
いろいろ考えて出した結論だから、自分の申し出を撤回することは
できない。
「もちろん、デス。
もちろん、大は可愛い甥っ子ですもの、これからも
大の側に居させてください。
勝手なことばかりでお義兄さん、本当にすみません」
私はここまで言うと、転がるようにして義兄の家を後にした。
とても悲しい夜だった。
私の初恋よ・・さらばだっ。
帰る車の中、義兄とのさまざまなシーンが走馬灯のように
頭の中をグルグルと駆け巡り、とめどなく流れ落ちてくる涙を止める
ことができなかった。
辛い決断ではあったけれど、この先の長い人生を考えると
これで良かったのだと何度もなんども私は自分に言い聞かせたのだった。




