幸せの青い鳥は・・71
71.
" Time travel タイムスリップ 62 "
~ 都眞子のこと13~
すぐに話そうとしない若林に都眞子は言った。
「これは大事なことなんです。
今上手くいってるのだから以前のことをとやかく言う必要のないことも
判っています。
だけど、やはり私と義兄にとっては重要なことであることも
確かなので、どうか義仁さんが当初私のことをどんな風に
思っていたのか分かっている範囲でいいので、教えていただけませんか」
俺はいきなりのことで、都眞子さんの質問の意図するところが
読めないままに・・
しかし、彼女の必死さに打たれ、一生懸命自分の中の記憶を
辿り、答えた。
「確か当初は都眞子さんのご両親の提案に戸惑っていたところは
ありました。
それはアレですよ、お姉さんを亡くして息子の大くんとの生活で
一杯いっぱいで、再婚のことを考えたことがなかったせいじゃないで
しょうか。
でもその後、彼からあなたと付き合うことになったって聞きまして
僕も良かったなと安心していたところです。
僕も及ばすながら都眞子さんとのご縁を後押しさせてもらいました。
最初はどうであれ、あなたのことをドンドン好きになって結婚を
決めたのだと思いますよ。
あれで案外真面目な奴なんで、浮気であなたを泣かしたりっていうのは
ないと思いますよ」
71-2.
義仁は若林に相談していた手前、付き合い始めたことは簡単に
報告してはいたのだが、自分の気持ちの中で劇的変化が生まれ
ものすごく都眞子のことを好きになっていった経緯までは
照れくささもあって何も具体的なことは話していなかった。
ともあれ、若林は若林で友人の義仁の再婚が上手くいくよう
見守ってきたのだった。
都眞子は義仁の当初の様子を酷く気にしているようだが
今上手くいっているのなら、気にする必要はないのにと若林は思った。
そしてそう思いつつ、都眞子に押し切られる形と勢いで
話してしまったけれど・・少し落ち着いたところで考えてみても
やはり都眞子の真意が分からないままで・・
はて?
今好き合って両家の両親たちからも祝福され、順風満帆なんだろう?
俺の話した何かが原因で結婚を止めてしまうことなんてない・・よな?
何がなんだか分からないまま、話してしまったけれど、一連の流れを
何度か繰り返し思い起こしてしていくうちに、若林は一抹の不安に
陥っていくのだった。
やはり、若林にも微妙な乙女心というか、機微は判らなかったようだ。




