幸せの青い鳥は・・64
64.
" Time travel タイムスリップ 55 "
~ 都眞子のこと6 ~
「今だから分かることもあって、家庭の在り方もいろいろな
形があるのよね。上の子だけを可愛がる親がいたり、例えば
3人いるうちの1人の子だけをいじめ倒して虐待するような
母親なんかもいるって聞くし。下の子だけを溺愛する親もいたりして。
同じように自分たちが産んだ子供なのに搾取するばっかりの子と
溺愛するばかりの子と分けて育てる親もいるって聞くし。
そこへいくと私は両親には恵まれていたと思うんだぁ~。
奇麗に生まれた姉と同様に小さい頃から両親には可愛がって
貰ってたから。できた親だわ」
「いい親御さんたちなんだな」
そう言うと続けて土筆くんが言った。
「あれじゃないかな、君とお姉さんは割と年が離れてるからさ
君が産まれて両親の愛情っていうか気持ちが君にばかり向けられて
いるように感じたことで、君への拘りみたいなちょっとダークな
気持ちになってしまったのかもしれないな。
64-2.
お姉さんは頭の良い人だったんだね。
上手いこと刷り込みっていうのを成功させたんだ。
君に、必要以上に容姿や人格について低い価値を植え付けると
いう。
こんなことを言うと君のお姉さんの悪口になってしまうね。ごめん」
「ううん、土筆くんに言われて私今までのことがストンと腑に落ちた。
何となくね、姉から好かれてないなぁ~っていうのはずっと感じて
たんだよね。
だから姉が亡くなった時も涙が出なくって困っちゃったもの。
下俯いて周囲を胡麻化してたわ。
でね、母親を幼くして亡くしてしまった大のことを思った途端
滂沱の涙が・・」
「出たんだ?」
「うんっ、すっごく泣いたっていうか、思わず号泣したの。
だから、たぶん両親も親戚も随分仲の良い姉妹だったと思ってると
思うよ。ははは。おかしいっ。でもそんな理由で血肉を分けた妹に
酷いことを突き付けることができるなんて、死して尚っていう感じ。
ますます私の中の姉の思い出が嫌なものになっていくわぁ。
アーっ、ヤダ」
「んだね」
「土筆くんのところなんて、兄妹仲がいいから驚いてるよね?
私のところのような姉妹が現実にいるなんてことを目の当たりにして」




